私の頃は、3月1日が高校の卒業式だったが、今はどうなっているのだろう。私学は2月に入試が行われていたから、私大に受かった連中は晴れ晴れした顔をしていた。国立は1期校が3日から、2期校が23日からの入試の記憶だが、もう遠い昔のことだから定かではない。私は国立2期校しか受けないと決めていたので、周りの友だちから「合格した」と聞いても、浮かれた気持ちになれなかった。
今朝、4月7日の「メモリアルコンサート」のチラシを持って、コンサートの主である彼女と一緒に芸大に出かけた。亡くなった夫も妻の彼女も、この大学の卒業生だ。学長はこの街のオーケストラを創る時に力を貸してくれた人だから、「きっと力になってくれる」と説得して出かけた。学長は亡くなった彼のことも知っていたし、当時一緒に演奏活動をしていて、今は大学で教えている先生たちにも声をかけてくれた。
人は、どこで、どうつながっているのだろう。ひょんなことから、私が「教育大の美術を卒業した」と話すと、学長が「大野元三先生は?」と聞いてきた。「指導教官です。私は元三先生の家の書生で、子どもたちの家庭教師で、運転手で、諸々の手伝いでした。結婚式の仲人です」。学長のご家族と元三先生は親しかったようで、そんな不思議な縁で結ばれていたのかと驚いた。
アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金委員長の会談は決裂したが、私には演出のように見えた。北朝鮮にとっては出来るだけ早い経済制裁の解除が必要でも、アメリカは急ぐ必要がない。それに安易な妥協をすればトランプ大統領への批判はいっそう高まる。ここはいかにもすぐ成果を出すより、難局を互いの信頼と努力で乗り越えたシナリオの方がアピール度が高いと両者は納得したのだろう。
外交は駆け引きだから、別に驚くことはない。しかし、人と人の付き合いは、もちろん恋の駆け引きはあるだろうが、術に走れば信頼を失う。誠意を示すことが難局を乗り切る道である。誠意を尽くしても「伝わらなければ意味がない」と言う人もいるが、自分がどれだけ尽くしたかと問うべきだろう。