我が家に雛飾りはもうない。姉の娘のための雛飾りは、我が家に女の子が生まれて以来飾られていたが、長女のところに娘が生まれたので、今度は長女の家に引き継がれた。姪っ子は結婚して子どもを3人産んだが、3人とも男の子だったので、長女が雛飾りの引き受け手になったのだ。立派な段飾りで、見応えのあるものだった。
「3日は、友だちと遊ぶ」と小3の孫娘は言っていたが、雛祭りで遊んだのだろうか。「ママに買ってもらった」という、お気に入りのヒラヒラのスカートを穿いたのかな。「男の子は、すぐ、スカートをめくってくる」とボヤいていた。確かに私の小学校の時代にも、女の子のスカートをめくる男の子はいた。私はスカートめくりをしたことがないが、一緒に笑っていたから同罪である。
東京の中学校で、制服の下はスカートでもズボンでもよいことになったとテレビが報じていた。スカートは男性を刺激するからとか、スース―して寒いからとか、いろいろ言われていた。小学生や中学生のスカートに興味を抱く男性はいないだろうが、高校生や大学生のミニスカートはつい目が向いてしまうだろう。昔、落語でおばあさんの着物の裾がめくれ、周りの男どもが一斉に注目した話があった気がする。
「男は本当にスケベイだから」と女性は非難するが、男が女を見ても興奮しなければ、人類は滅んでしまう。ところが現在では、優秀な男の精子を冷凍保存することが出来るそうで、もう男に、子どもをつくる機能は必要なくなる。そうなれば、女に興味は湧かないから、スカートめくりなどする男の子はいない。黙々と働くだけの男しかいないのだ。
「キャー、エッチ」などと悲鳴を上げていた女の子も、その時は、健康で優秀な美人しかこの世に残っていないのかも知れない。家族も家庭も必要ないから、社会の形は完全に変わるだろう。それでも、妬みや欲までは無くならないから、いじめや争いは存続するのだろう。