友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

『まんぷく』に昭和の経済成長を見た

2019年03月04日 18時02分07秒 | Weblog

 「NHKの朝ドラ、見ています?」と、夫を亡くして7年になる女性から言われた。「主人公の福子さんのように、私も言えたら、きっともっと違った人生になっていたのでしょうが、とにかく主人の言うことが絶対だったので」と振り返るように話す。

 夫の萬平が、「これで独り勝ちだ」と喜んだのを、福子は「それで本当にいいのですか」と咎める。「あなたのやりたかったことは、みんなを幸せにすることではなかったですか」と原点に立ち戻らせるシーンだ。

 夫婦は多分、福子のように夫を咎めるなら、ケンカ状態になってしまうだろう。何も言えずに夫に従うばかりでは悔いが残し、不満を抱え込むことになり兼ねない。愛し合って結婚したとしても、生活を共にすることで別の面を見ることになる。完璧な愛など無いし、家庭は忍耐と努力で乗り越えていくしかない。

 『まんぷく』を見ていて、昭和の経済が成長していく様子がよく分かった。萬平は発明家であるが、事業をするには金が要る。ダメイホンなる栄養食品を開発した時も、福子の友だちの夫が資金援助をしてくれた。即席ラーメンを創り出した時も、投資をしてくれる金融があった。金がなければ、夢は実現できない。金があれば、さらに企業を大きくしていける。

 そして、即席ラーメンの類似品が出回ると、行政に顔が利く国会議員の後ろ盾を得て、組合を作って利益の分散を防ぐ。企業と政治家の癒着がなければ、会社は成長できない現実がここにある。企業と政治家と行政の三位一体が日本の経済成長を支えてきたのだ。民主主義社会と言いながら、その実体は国民不在なのだ。

 福子さんに、「そんなことで本当にいいの」と言ってもらわないと、国民も気が付かないようだ。

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