参議院選挙が公示され、愛知選挙区では改選数4人に12人が立候補した。これだけ候補者の数が多いと、確かに選択肢が増えていいように見えるが、実際には戸惑ってしまう。地方議員になったことしかないので、国会議員の選挙を知らないこともあるかも知れないが、選挙での主張だけ見ると、国政の選挙も地方議員の選挙も大して変わらないみたいだ。
国政の選挙は、候補者はどういう国を目指すのかを言ってもらわないと、選ぶ基準がぼやけてしまう。今朝の中日新聞のトップに、7党の党首がそれぞれにスローガンを掲げた写真が載っていた。自民は「政治の安定」、公明は「小さな声を聴く力」、立憲は「生活防衛」、国民は「家計第一」、共産は「くらしに希望を」、維新は「身を切る改革 消費税凍結」、社民は「憲法を活かす支えあう社会」とあった。
スローガンだけで見れば、保守は自民と立憲だろう。「暮らしや教育、福祉に関する政策では政党間に大きな差を見いだせない」と多くの国民が感じている。安倍首相の発言を聞いていると、使っている言葉はまるで改革派だ。「女性か活躍する社会」も「働き方改革」も、中身が分からないから現状を改革する人のようだ。大学生の中には、安倍首相こそ改革派のリーダーととらえているそうだ。それだけ、野党が安倍首相の本質に切り込めていないということなのだろう。
老後に2千万円の蓄えが必要とした問題も、誰もがなんとなくそう思っているから、いくら野党が「年金制度は百年安心と言ってきたではないか」と追及しても、争点にはならないだろう。主張が大きく違うのは、憲法改正問題だが、安倍首相は「改正するか否かは国民が決めること。だからこそもっと論議をしましょうよ」と逆手にとって野党を挑発する。それに対して、「憲法を守れ」と言うだけでは保守にしか見られない。
戦争が無ければ軍隊はいらない。だったら、戦争のない世界を作ればいいのに、相変わらず「国を守ることは政治の義務」という立場に立つから、「軍隊は持ってもいいが、海外派兵はダメ」などとアホなことを言っている。「ケンカするには武器が要る」と言うと、小4の孫娘は「ケンカしなければいい」と即答する。この子の方が大人だと思う。