昨晩の帰宅道は雪混じりの雨で、とてもこの季節とは思えない寒さでした。今朝、桜が散った公園には薄っすらと雪が降り積もっているようでした。
天候不順の影響が、あちらこちらで囁かれています。ここ数ヶ月の寒暖の差が激しく、寒くても桜が咲き乱れる様は、いささか異様ではあったものの、キリッと身が引き締まる(寒さで縮こまる)華やかさがありましたが、既に野菜の値段が上がっているのは、この春にとどまる話ではなく、霜の影響で南高梅の実が8割方落ちてしまって、市場に出回る梅干の量が減りそうだとか、日照不足の影響で苗の根付きが悪いため、夏野菜に影響が出そうだと、朝のニュース解説番組でも報道されていました。そんな中、野菜を特価で放出するイトーヨーカドーの新聞折込チラシを見て、どうやって手に入れたのだろうと呟きながら、家内は支度を整える暇もなくそそくさと買い物に出て行きましたが、地理的に南北に広がる日本では気候もまだらで、場所によっては影響を受けない地域もあるのでしょう。こうした地理的な広がりのある地域にいることの利点は無視できません。
次は天候不順ではなく天災の話になりますが、14日に再び始まったアイスランドの火山の噴火の影響で、昨日の空の便の欠航数は欧州全域で1万7000便と、全体の約半分に達し、過去最大となる見通しだということで、些か驚かされました。空港閉鎖は23ヶ国、南仏やイタリアにまで広がっているそうです。もちろん欧州域内だけではなく、日本含むアジアや米国向け運行も停止しており、噴火は数週間続くとの見方も出ている中、観光客やビジネス客が足止めを食らうだけでなく、世界をまたにかける物流が止まれば、日本国内で安穏としている私たちにも影響が出かねません。
振り返れば、フィリピンのピナツボ火山噴火(1991年)では火山灰が太陽光を遮り、北半球の平均気温が0.5度下がったと言われたもので、火山灰の影響は侮れません。噴煙には硫酸が含まれ、長く続けば酸性雨の影響も出てくると指摘する専門家もいます。
日本は大陸から離れていて、大陸からの影響という意味で思い浮かぶのはせいぜい黄砂くらいで、それほど意識することはありませんが、欧州や東南アジアのように国が集積する地域では、自然現象なりペストなどの伝染病なり、ある事象がすぐに近隣諸国に伝播し影響を与えることが多いのは、考えてみれば当たり前の話です。ペナンに滞在していた頃、隣のインドネシア・スマトラ島の山焼きの灰(ヘイズ)が飛来して、街がどんよりと靄に包まれ、気管支への影響が懸念されたのも、いわば年中行事でした。良くも悪くも隣人(国)として文句のひとつも言いながら、時に感謝もしながら、多かれ少なかれ助け合って生きているというのが地域ならではと言えます。
天候不順や天災の話から、地域的な広がり具合いや繋がり度合いのことを思ったわけです。時に限られた資源の奪い合いになり、時に少ない資源を分け合うこともある。
現代社会は、地域あるいは隣近所という感覚が、世界規模にまで広がっており、グローバリゼーションと形容されます。リーマン・ショック後の金融危機に端を発する不況の影響を受けないはずだった日本で最も影響が大きいのは、輸出立国ならではの脆弱性であり、世界という地域に依存していることを再認識させられました。核サミットが開かれたのも、オバマさんという、アメリカ大統領の立場でありながら稀有のリーダーシップを発揮する人物が登場したのも一因ですが、世界の国々の関係が緊密化し、かつての冷戦時代からすれば隔世の感がありますが、もはや核などの大量破壊兵器を使った戦争は遠い話となってしまい、むしろテロリストの手に渡ることの危険性を共有するまでになったことが背景にあります。
普天間基地移設問題にしても、日本の安全保障と沖縄県民感情の問題、せいぜいアメリカとの同盟関係という限られた関係性の中で論じるのか、もう少し目線を広げて北東アジア地域の安全保障という観点で論じるのか、地域の捉え方を間違えると、結論を間違えてしまいます。
天候不順の影響が、あちらこちらで囁かれています。ここ数ヶ月の寒暖の差が激しく、寒くても桜が咲き乱れる様は、いささか異様ではあったものの、キリッと身が引き締まる(寒さで縮こまる)華やかさがありましたが、既に野菜の値段が上がっているのは、この春にとどまる話ではなく、霜の影響で南高梅の実が8割方落ちてしまって、市場に出回る梅干の量が減りそうだとか、日照不足の影響で苗の根付きが悪いため、夏野菜に影響が出そうだと、朝のニュース解説番組でも報道されていました。そんな中、野菜を特価で放出するイトーヨーカドーの新聞折込チラシを見て、どうやって手に入れたのだろうと呟きながら、家内は支度を整える暇もなくそそくさと買い物に出て行きましたが、地理的に南北に広がる日本では気候もまだらで、場所によっては影響を受けない地域もあるのでしょう。こうした地理的な広がりのある地域にいることの利点は無視できません。
次は天候不順ではなく天災の話になりますが、14日に再び始まったアイスランドの火山の噴火の影響で、昨日の空の便の欠航数は欧州全域で1万7000便と、全体の約半分に達し、過去最大となる見通しだということで、些か驚かされました。空港閉鎖は23ヶ国、南仏やイタリアにまで広がっているそうです。もちろん欧州域内だけではなく、日本含むアジアや米国向け運行も停止しており、噴火は数週間続くとの見方も出ている中、観光客やビジネス客が足止めを食らうだけでなく、世界をまたにかける物流が止まれば、日本国内で安穏としている私たちにも影響が出かねません。
振り返れば、フィリピンのピナツボ火山噴火(1991年)では火山灰が太陽光を遮り、北半球の平均気温が0.5度下がったと言われたもので、火山灰の影響は侮れません。噴煙には硫酸が含まれ、長く続けば酸性雨の影響も出てくると指摘する専門家もいます。
日本は大陸から離れていて、大陸からの影響という意味で思い浮かぶのはせいぜい黄砂くらいで、それほど意識することはありませんが、欧州や東南アジアのように国が集積する地域では、自然現象なりペストなどの伝染病なり、ある事象がすぐに近隣諸国に伝播し影響を与えることが多いのは、考えてみれば当たり前の話です。ペナンに滞在していた頃、隣のインドネシア・スマトラ島の山焼きの灰(ヘイズ)が飛来して、街がどんよりと靄に包まれ、気管支への影響が懸念されたのも、いわば年中行事でした。良くも悪くも隣人(国)として文句のひとつも言いながら、時に感謝もしながら、多かれ少なかれ助け合って生きているというのが地域ならではと言えます。
天候不順や天災の話から、地域的な広がり具合いや繋がり度合いのことを思ったわけです。時に限られた資源の奪い合いになり、時に少ない資源を分け合うこともある。
現代社会は、地域あるいは隣近所という感覚が、世界規模にまで広がっており、グローバリゼーションと形容されます。リーマン・ショック後の金融危機に端を発する不況の影響を受けないはずだった日本で最も影響が大きいのは、輸出立国ならではの脆弱性であり、世界という地域に依存していることを再認識させられました。核サミットが開かれたのも、オバマさんという、アメリカ大統領の立場でありながら稀有のリーダーシップを発揮する人物が登場したのも一因ですが、世界の国々の関係が緊密化し、かつての冷戦時代からすれば隔世の感がありますが、もはや核などの大量破壊兵器を使った戦争は遠い話となってしまい、むしろテロリストの手に渡ることの危険性を共有するまでになったことが背景にあります。
普天間基地移設問題にしても、日本の安全保障と沖縄県民感情の問題、せいぜいアメリカとの同盟関係という限られた関係性の中で論じるのか、もう少し目線を広げて北東アジア地域の安全保障という観点で論じるのか、地域の捉え方を間違えると、結論を間違えてしまいます。