風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ブータン国王来日・続

2011-11-18 02:48:34 | 時事放談
 国賓として来日中のブータン国王が、今日、衆院本会議場で演説を行いました。先ずは、東日本大震災について「大混乱と悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民は最悪の状況下でさえ、静かな尊厳、自信、規律、心の強さをもって対処された」「日本は歴史を通じてあらゆる逆境から繰り返し立ち直った」と日本を称え、「大勢のブータン人が寺院や僧院で供養のための灯明をささげた。不幸から立ち上がる国があるとすれば、日本と日本国民だと確信している」と激励されたそうです。国賓として招かれ、その国を誉めそやしているだけとはいえ、国と国の関係はかくあるべしというような、なんとも和やかな出来事でした。
 また、今年で国交樹立25周年を迎えた両国関係について、「公式の関係を超えた特別な愛着を抱いている」と述べられ、日本の国連安全保障理事会・常任理事国入りへの支持も表明されるとともに、「国民総幸福量(GNH)」という概念に基づき、国づくりを実践するブータンにとって、日本の経済的支援は不可欠との認識を示され、親日振りをアピールされたそうです。国と国の関係ですから、綺麗ごとばかりではないとは言え、日本として、大事にしていきたい関係ではあります。
 ところが、前の晩に開かれた国王夫妻歓迎の宮中晩餐会に、民主党の閣僚である川端総務相、細野原発相、一川防衛相、山岡国家公安委員長が揃って欠席していたことが明らかになりました。中でも一川防衛相は、その時間、民主党議員の政治資金パーティーに出席し、「ブータン国王が来て宮中で催し物があるが、こちらの方が大事だと思って来た」などとぬけぬけと挨拶していたことが明らかになり、藤村官房長官から首相官邸に呼びつけられ、宮中行事を軽視するかの発言は軽率だとして、厳重注意を受けたそうです。一川氏と言えば、防衛相就任に際して記者団に「私は安全保障に関して素人だが、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」などと頓珍漢な発言をして批判されたのが記憶に新しいですが、ほかにも、産経新聞によると、10月15日に地元・石川県の民主党県連パーティーで「防衛省、自衛隊の仕事は私より前原誠司政調会長の方が詳しい」などと防衛相として無責任な発言を繰り返した上、10月25日には衆院安全保障委員会で平成23年版防衛白書について「正直言ってまだ全部目を通していない」などと語り、正直者なのかも知れませんが、素人ぶりはエスカレートするばかりです。11月12日には、年内に提出予定の普天間飛行場移設に関わる環境影響評価書について「無理に提出するものではない」と言い放ったそうで、もはや政治家としてと言うよりも、ごく普通の社会人としての見識を疑いたくなります。
 先の晩餐会については、出席者から複数の閣僚が携帯電話を使用していたとの指摘もあったため、藤村官房長官は全閣僚に対して「行事進行上支障を生じることのないように」と注意を呼びかけたそうです。まるで小学生並み・・・なんて言うと小学生に失礼かも知れない。民主党議員は、国民の代表たる政治家として、何故かくも劣化したかと嘆く以前に、ごく普通の社会人としての適格性に欠けるのではないかと疑いたくなります。イジワルな私は、これが中国の国家主席や、韓国の大統領だったら、民主党議員たるもの、這いつくばってでも列席し、かつて小沢さんが何百人もの民主党議員を引き連れて中国詣でした時のように、喜び勇んで握手を求めただろうと思うと、なんだかやり切れなくなります。
コメント
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