カジノには興味があります。かれこれ20年前、友人と、まだポルトガル領だったマカオに遊びに行った時、タキシードにナイト・ドレスの紳士・淑女ばかりかと身構えたら、つっかけに短パン姿のチャイニーズのおっさんたちがたむろしていて、夢破れたような喪失感を覚えて拍子抜けしたものでしたが、それはひとえに私の勝手な思い込みによるものでした。続いて、かれこれ10年ちょっと前、家族と共にラスベガスに遊びに行った時には、砂漠のど真ん中に広がる不夜城に度胆を抜かれましたが、ファミリー向けに変貌を遂げ、テーマパーク化しつつある、ある種の健全さにがっかりしたのも、ひとえに私の勝手な思い込みによるものでした。さらに5年くらい前、敬虔なイスラム社会のマレーシアにもカジノがあると聞き、日本では信じられないほど急勾配の山道を車で駆け登って、山のてっぺんの雲の上に浮かぶお伽の国のようなゲンティンハイランドを訪れた時には、遊園地の様相を呈していても、もはや驚きませんでした。
しかしカジノにはどうにも苦手意識があります。金を単純に目的化できない、ある種のプチブル的な道徳観に毒されていて、心から楽しむことが出来ないようなのです。決して嫌いではない証拠に、これまで株式投資はほとんどしたことあがりませんが数少ない転換社債はうまく売り抜けましたし、アメリカやマレーシアに生活することになって、生活資金の現地通貨を、帰任してからは円に、あるいは転勤先の豪ドルに、うまく切替えもしました。それでも、カジノあるいはギャンブル全般にハマることに対しては健全な自制心・・・と言うよりもむしろ強烈な抑制心理、防御本能が働くようです。
しかし世の中にはそうでもない人種がいるようです。
とりわけ、大王製紙前会長の特別背任事件は、私のような庶民には別世界のような出来事で、些か驚かされました。連結子会社やファミリー企業からの借入金は、約90億円を中国・マカオのカジノに、数十億円をシンガポールのカジノに注ぎ込んで、総額百数十億円に上ることが判明したそうで、いくら創業家の御曹司とは言え、よくこれだけの金を、自ら歯止めをかけることなく、使い込んだものだと感心するとともに、いくらバカ殿と呼ばれようと、まがりなりにも会社組織にあって、外部からも歯止めがかからなかったのかと呆れてしまいます。後者は、最近、立て続けに起こった、読売巨人軍の清武氏の告発や、オリンパス損失隠しのような、コンプライアンスの問題ですが、興味深いのは、やはりカジノにまつわる問題のあれこれです。
かつてハマコーは、ラスベガスで一晩に4億5千万円をすって、後に議員辞職に追い込まれました。 最近でも、宇多田ヒカルのお母ちゃん・藤圭子(私の世代には宇多田ヒカルよりも藤圭子の方がよほど馴染みがあります)が、ニューヨークの空港で、カジノで使うためと称して現金42万ドルを差し押さえられるトラブルがあったのは記憶に新しいところです。大王製紙前会長の場合は、1年半弱にわたるこの金額に対して、カジノ関係者の中には「前会長のような金払いのいい上客は、ずっとお金を使い続けてもらうためカモにならないはずなのに」と、「大負け」に首をかしげる人がいるようです。私たち庶民とは違って、恐らく至れり尽くせりのVIPルームで優雅な気分に浸って、ちょっと勘違いしてしまったのでしょうか。
ギャンブル依存症というのは、Wikipediaによると「ギャンブルによって得られる精神的高揚に強く囚われ、自らの意思でやめることができなくなった状態を指し、強迫的にギャンブルを繰り返す精神疾患」で、摂食障害やアルコール依存症と同じく、立派な病気としてWHOからも認定されているそうです。病気と考えないことには理解不能なのでしょう。
カジノといえば、最近、沖縄で、カジノ解禁の「特別区」に指定してもらうことで、観光業の起爆剤にしようと、県民の間で盛り上がったことがありました。東京や大阪でもカジノ構想が聞こえたことがありました。しかしギャンブル依存症への不安と、どうしても治安が悪くなるリスクがあって、踏み出せていません。そのため、昨年、開業したシンガポールでは、国外からの観光客は入場無料ですが、シンガポール人には100ドルを課しているほどです。
再び大王製紙前会長の話に戻ると、マカオやシンガポールに進出する前には、国内の違法カジノに(当然のことながら)のめり込んだとされ、交友関係も派手で、戦々恐々としている芸能人や政・財界人も多いと噂されています。これから警察はどういう動きを見せるのか、思わぬ展開を見せるかも知れなくて、ちょっと目が離せません。
しかしカジノにはどうにも苦手意識があります。金を単純に目的化できない、ある種のプチブル的な道徳観に毒されていて、心から楽しむことが出来ないようなのです。決して嫌いではない証拠に、これまで株式投資はほとんどしたことあがりませんが数少ない転換社債はうまく売り抜けましたし、アメリカやマレーシアに生活することになって、生活資金の現地通貨を、帰任してからは円に、あるいは転勤先の豪ドルに、うまく切替えもしました。それでも、カジノあるいはギャンブル全般にハマることに対しては健全な自制心・・・と言うよりもむしろ強烈な抑制心理、防御本能が働くようです。
しかし世の中にはそうでもない人種がいるようです。
とりわけ、大王製紙前会長の特別背任事件は、私のような庶民には別世界のような出来事で、些か驚かされました。連結子会社やファミリー企業からの借入金は、約90億円を中国・マカオのカジノに、数十億円をシンガポールのカジノに注ぎ込んで、総額百数十億円に上ることが判明したそうで、いくら創業家の御曹司とは言え、よくこれだけの金を、自ら歯止めをかけることなく、使い込んだものだと感心するとともに、いくらバカ殿と呼ばれようと、まがりなりにも会社組織にあって、外部からも歯止めがかからなかったのかと呆れてしまいます。後者は、最近、立て続けに起こった、読売巨人軍の清武氏の告発や、オリンパス損失隠しのような、コンプライアンスの問題ですが、興味深いのは、やはりカジノにまつわる問題のあれこれです。
かつてハマコーは、ラスベガスで一晩に4億5千万円をすって、後に議員辞職に追い込まれました。 最近でも、宇多田ヒカルのお母ちゃん・藤圭子(私の世代には宇多田ヒカルよりも藤圭子の方がよほど馴染みがあります)が、ニューヨークの空港で、カジノで使うためと称して現金42万ドルを差し押さえられるトラブルがあったのは記憶に新しいところです。大王製紙前会長の場合は、1年半弱にわたるこの金額に対して、カジノ関係者の中には「前会長のような金払いのいい上客は、ずっとお金を使い続けてもらうためカモにならないはずなのに」と、「大負け」に首をかしげる人がいるようです。私たち庶民とは違って、恐らく至れり尽くせりのVIPルームで優雅な気分に浸って、ちょっと勘違いしてしまったのでしょうか。
ギャンブル依存症というのは、Wikipediaによると「ギャンブルによって得られる精神的高揚に強く囚われ、自らの意思でやめることができなくなった状態を指し、強迫的にギャンブルを繰り返す精神疾患」で、摂食障害やアルコール依存症と同じく、立派な病気としてWHOからも認定されているそうです。病気と考えないことには理解不能なのでしょう。
カジノといえば、最近、沖縄で、カジノ解禁の「特別区」に指定してもらうことで、観光業の起爆剤にしようと、県民の間で盛り上がったことがありました。東京や大阪でもカジノ構想が聞こえたことがありました。しかしギャンブル依存症への不安と、どうしても治安が悪くなるリスクがあって、踏み出せていません。そのため、昨年、開業したシンガポールでは、国外からの観光客は入場無料ですが、シンガポール人には100ドルを課しているほどです。
再び大王製紙前会長の話に戻ると、マカオやシンガポールに進出する前には、国内の違法カジノに(当然のことながら)のめり込んだとされ、交友関係も派手で、戦々恐々としている芸能人や政・財界人も多いと噂されています。これから警察はどういう動きを見せるのか、思わぬ展開を見せるかも知れなくて、ちょっと目が離せません。