風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

TV界の箸休め

2012-01-14 15:02:45 | スポーツ・芸能好き
 前々回、箱根駅伝は、正月に延々繰り広げられるバラエティ番組を見飽きた私たちにとって恰好の「箸休め」だと言いましたが、視聴率は実に平均27%に達するそうで、箸休めなどと言っては失礼に当たりましょう。しかし、もとより最初から順調だったわけではないようで、箱根駅伝がTV中継されたのは1987年からだそうですが、当初、「関東の学生が走っているだけで数字が取れるのか」、マラソンより数倍距離が長い駅伝で「中継が途切れて、放送事故があったらどうする」などと、反対の声が大きかったそうです(NEWSポストセブン)。特に活躍する人のことを山の神と敬意を表する上りの5区では、湾曲した山道が続き、電波を送受信する中継スポットを山地に複数設置するのが、当時の技術では難しかったようです。
 「箸休め」という意味では、最近、露出が増えた子役たちも、最近のお笑い芸人に飽きた私たちにとって「箸休め」と言えなくもありません。楽屋落ちのネタが多かったり、学生のコンパ芸に毛が生えた程度でしかなかったりといった事情の反動と言えましょう。しかしこちらも順調とは言えません。正月に会った親戚から異口同音に聞こえて来たのは、「こましゃっくれている」「生意気」「調子こいてる」「よく見ると可愛くない」「媚びる大人も情けない」などといった不平不満ばかりでした。そう思っていたのは私たち家族だけではなかったことを知ってホッとしたものです。もとより本人たちに悪気があるわけはなく、ひとえにここぞとばかりに商魂逞しい親御さんやモデル事務所と番組スタッフの問題でしょう。
 箱根駅伝は正月の風物詩として定着しましたが、いずれ子役は飽きられます。そもそもカワイイだけの物珍しさで芸がないのだから仕方ありません。しかし昨年のヒット商品番付で前頭何枚目かに登場した子役ブームが今年も続くとしたら、芸能界はまさに芸がない界に堕した証左と見られかねません。あるいはスポンサーのカネが減ったか閉塞感に囚われた社会にアイディアも枯渇して番組づくりが低調になってしまったのか。私自身のバイオリズムが変転する前のように、次なる飛躍に向かってエネルギーを蓄えて身を縮ませている時期なのだと思いたい。日本の経済や社会のように。
コメント
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