「昨年は日本は大変な災害に見舞われた国難の年でしたが、中でも政治の貧困は国民にとって最大の災害だったように見受けました。今年は衆議院の総選挙があるようですが、有権者の一人ひとりがよく勉強をして、少しはまともな政治家を選んで欲しいものです。さもないと日本の国自体が沈没してしまいかねないです。そうならないことを願います。」
これは、ボストン駐在時代の同僚(と言っても、多分二十歳以上年長の方ですが)で、退職後もそのままボストンに住んでおられる方から頂いた年賀状代わりの便りの抜粋です。だいたいは、今年こそボストン・マラソンを走りに来ないのですかと、当たり障りのないお誘いの言葉を添えられるのが常で、政治に言及されたのは、この10年間では初めてのこと。よくよく地球の反対側の遠く離れたボストンでも祖国の体たらくが気がかりでならないご様子です。中でも「よく勉強しなさい」とのお言葉は、私自身が叱咤されているようで、襟を正した次第です(と言って、私に出来ることは限られていますが)。一つ言い訳させてもらうなら、民主党を政権与党に選んだ2009年夏の衆議院総選挙では、帰国後三ヶ月を経ない私には選挙権がありませんでした(あったからと言って、私に出来たことは限られていますが)。
野田改造内閣が発足しました。読売新聞が実施した世論調査によると、内閣支持率は前の月から5ポイント落ちて37%(不支持率は7ポイント増えて51%)、内閣改造を「評価しない」49%(「評価する」35%)という結果で、日本人としては甚だ不本意ではありますが、発足した9月以来、毎月、順調に支持率を落として来て、再び、使い捨てになりかねない状況です。これまで、掴みどころがなくて最後までふわふわと地に足がついていなくて、宇宙人とまで言われた鳩山さんや、だんだん殻に閉じこもって地中に潜った地底人のように景気が悪い陰鬱な表情に変わって行った菅さんが、議論がなかなか噛み合わなかったことと比べれば、野田さんの弁舌は比較的滑らかで、話はよく分かるのですが、消費増税を含む社会保障と税の一体改革の実現に向け「日本にとっての正念場」だと強調(日経新聞)する割りには、心がこもっているようには見えなくて、実は野田「ロボット」なのではないかと疑ってしまいます。
今回は、問責決議を受けた二人の閣僚を外したことと、岡田克也氏を一体改革・行政改革担当相を兼務する副総理に起用したことがポイントのようです。野田総理は、これを「最善・最強の布陣」と胸を張りました(が、英語に直すとsecond bestならぬthird bestくらいでしょうか)。まあ岡田氏については、内閣発足当時にも官房長官として恋い焦がれた人で、カタチを変えて念願叶ったこととは言え、当時はラブコールを聞き入れなかった岡田氏が立ち上がらざるを得なかったこと、また「素人」発言で物議を醸した一川保夫氏の後任に再び素人!?の疑問符がつく田中直紀氏の防衛相就任を見せつけられると(今朝のNHK政治討論番組で、自衛隊の海外での武器使用基準緩和問題と、武器禁輸政策の見直しを取り違えて、誤りに気付かなかったと伝えられます)、余程、人材が払底しているのかと情けなくなりますし、普天間基地問題、次期主力戦闘機(FX)、国連平和維持活動派遣、武器輸出三原則緩和など、いつにも増して難しい答弁を求められる問題を抱えて、野田総理の本気度を疑う産経新聞に賛同したくなりますし、再びこのようなボスを戴かざるを得ない防衛省もまた気の毒です。山岡賢次氏が退いた消費者担当相に至っては、消費者庁発足から2年半もたたぬ内に9人目の就任になります。
民主党の功罪はいろいろありますが、その一つは、閣僚ポストをたらい回しし、その価値をことごとく貶めてしまったこと、それとは裏腹に、実は閣僚なんて(自民党時代でも)大したことはなかったのだと白日の下に晒したことではないでしょうか。それだけ日本の頭脳を集める官僚組織が強固な証左であり、政治主導を叫んだところで突き動かすのは生易しいことではないと言えます。政治家の資質について私が何を言っても大して説得力がありませんが、多くの民主党政治家にインタビューしたある若い女性ジャーナリストは、政治の世界ではなくても、うだつがあがらないような人が多かったと語っていました。今の政治状況を説明して余りあります。そうすると、私たち有権者の一人ひとりがいくらよく勉強をしたところで詮無いということになります。日本を覆う閉塞感はそのあたりにあるのだろうと。
これは、ボストン駐在時代の同僚(と言っても、多分二十歳以上年長の方ですが)で、退職後もそのままボストンに住んでおられる方から頂いた年賀状代わりの便りの抜粋です。だいたいは、今年こそボストン・マラソンを走りに来ないのですかと、当たり障りのないお誘いの言葉を添えられるのが常で、政治に言及されたのは、この10年間では初めてのこと。よくよく地球の反対側の遠く離れたボストンでも祖国の体たらくが気がかりでならないご様子です。中でも「よく勉強しなさい」とのお言葉は、私自身が叱咤されているようで、襟を正した次第です(と言って、私に出来ることは限られていますが)。一つ言い訳させてもらうなら、民主党を政権与党に選んだ2009年夏の衆議院総選挙では、帰国後三ヶ月を経ない私には選挙権がありませんでした(あったからと言って、私に出来たことは限られていますが)。
野田改造内閣が発足しました。読売新聞が実施した世論調査によると、内閣支持率は前の月から5ポイント落ちて37%(不支持率は7ポイント増えて51%)、内閣改造を「評価しない」49%(「評価する」35%)という結果で、日本人としては甚だ不本意ではありますが、発足した9月以来、毎月、順調に支持率を落として来て、再び、使い捨てになりかねない状況です。これまで、掴みどころがなくて最後までふわふわと地に足がついていなくて、宇宙人とまで言われた鳩山さんや、だんだん殻に閉じこもって地中に潜った地底人のように景気が悪い陰鬱な表情に変わって行った菅さんが、議論がなかなか噛み合わなかったことと比べれば、野田さんの弁舌は比較的滑らかで、話はよく分かるのですが、消費増税を含む社会保障と税の一体改革の実現に向け「日本にとっての正念場」だと強調(日経新聞)する割りには、心がこもっているようには見えなくて、実は野田「ロボット」なのではないかと疑ってしまいます。
今回は、問責決議を受けた二人の閣僚を外したことと、岡田克也氏を一体改革・行政改革担当相を兼務する副総理に起用したことがポイントのようです。野田総理は、これを「最善・最強の布陣」と胸を張りました(が、英語に直すとsecond bestならぬthird bestくらいでしょうか)。まあ岡田氏については、内閣発足当時にも官房長官として恋い焦がれた人で、カタチを変えて念願叶ったこととは言え、当時はラブコールを聞き入れなかった岡田氏が立ち上がらざるを得なかったこと、また「素人」発言で物議を醸した一川保夫氏の後任に再び素人!?の疑問符がつく田中直紀氏の防衛相就任を見せつけられると(今朝のNHK政治討論番組で、自衛隊の海外での武器使用基準緩和問題と、武器禁輸政策の見直しを取り違えて、誤りに気付かなかったと伝えられます)、余程、人材が払底しているのかと情けなくなりますし、普天間基地問題、次期主力戦闘機(FX)、国連平和維持活動派遣、武器輸出三原則緩和など、いつにも増して難しい答弁を求められる問題を抱えて、野田総理の本気度を疑う産経新聞に賛同したくなりますし、再びこのようなボスを戴かざるを得ない防衛省もまた気の毒です。山岡賢次氏が退いた消費者担当相に至っては、消費者庁発足から2年半もたたぬ内に9人目の就任になります。
民主党の功罪はいろいろありますが、その一つは、閣僚ポストをたらい回しし、その価値をことごとく貶めてしまったこと、それとは裏腹に、実は閣僚なんて(自民党時代でも)大したことはなかったのだと白日の下に晒したことではないでしょうか。それだけ日本の頭脳を集める官僚組織が強固な証左であり、政治主導を叫んだところで突き動かすのは生易しいことではないと言えます。政治家の資質について私が何を言っても大して説得力がありませんが、多くの民主党政治家にインタビューしたある若い女性ジャーナリストは、政治の世界ではなくても、うだつがあがらないような人が多かったと語っていました。今の政治状況を説明して余りあります。そうすると、私たち有権者の一人ひとりがいくらよく勉強をしたところで詮無いということになります。日本を覆う閉塞感はそのあたりにあるのだろうと。