風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

2020年東京五輪招致

2013-01-09 23:34:07 | 日々の生活
 2020年に開催される予定の第32回夏季オリンピック(2020年7月24日(金)~8月9日(日))を東京に招致するべく、IOC(国際オリンピック委員会)に一昨日に提出された開催計画書「立候補ファイル」の内容が、昨日、公表されました。大会ビジョンに「“安全な”大会の開催」を掲げ、晴海地区に建設される選手村から10キロ圏内に約8万7千室のホテルを備え、1日2570万人をほぼ正確に輸送する鉄道網といった、日本を代表する大都市・東京のインフラと最先端の技術が整う都市力を全面的にアピールするというのは良いことです。その選手村から半径8キロ圏内に東京近郊の33競技会場の85%にあたる28会場が収まる「“コンパクトな”大会開催」により、選手の移動負担などが軽減されることで、より高いパフォーマンスが発揮されることが期待される「選手第一」(アスリート・ファースト)の計画とする、というのも良いですね。
 課題はご存じのとおり国民の開催支持率のようです。昨年5月の第一次選考を前にIOCが行った世論調査で、47%(反対23%、どちらでもない30%)と低迷していた開催支持率は、同様の手法で調べた東京招致委員会によると、ロンドン五輪前の7月半ばに58%(同16%、26%)、五輪後の8月半ばには66%(同14%、20%)と順調に盛り上がりましたが、11月末の調査では同じ66%(同14%、20%)で頭打ちのようです。70%を越えるような積極的な広報活動を展開したい・・・としていましたが、効果は後もう一歩のところです。IOCによる支持率調査は、この「立候補ファイル」提出後に、民間の調査会社を使って極秘裏に行われる可能性が高いそうで、東京都民として是非とも盛り上げたいところですが、日本人はなんとなく熱しやくす冷めやすくて、ちょっともどかしい思いに駆られます。
 対抗馬の一つ、マドリードの開催支持率は、昨年5月の調査時点で78%(同16%、5%)と三都市の中でトップで(最近の独自調査でも80%)、ユーロ危機による財政不安にも関わらずラテン系らしいあっけらかんとした明るさと盛り上がりが察せられます。もう一つ、2016年の「南米初」リオデジャネイロ五輪に続き、「イスラム圏初」の五輪を訴えるイスタンブールの開催支持率は、昨年5月の調査時点で73%(同3%、25%)と、発展途上国らしく、一つの目標に立ち向かう国民の心のまとまりが手強そうです(最近の独自調査では94%とも)。
 1996年のアトランタ・オリンピック当時、アメリカに滞在していて、オリンピック公園(Centennial Olympic Park)の地面を埋める煉瓦50万個の内の1個分寄付(35ドル)し、家族の名前を刻んでもらったものでした。その後、すっかり忘れていましたが、今回の2020年五輪招致で思い立って、インターネットで調べてみると、とあるサイトに“Blick Locator”があって、公園内のどの場所に埋め込まれているのか16年経って初めて確認することが出来ました。なんでもない、ちょっとした出費でしたが、オリンピックというものは、多かれ少なかれいろいろな局面で国民(私は単なる外国人居住者でしたが)の心の高揚を呼ぶものだと思います。閉塞感漂う日本に、こうした明るい「目標」が欲しいものです。
コメント
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