NZは、冬だったせいばかりでなく、暑くて湿度が高いモンスーン・アジアの諸都市とは違いが際立っていた。年季が入って落ち着いた街の佇まいはもはや西欧であり、アジアの果てにありながら、どこかヨーロッパの片田舎を思わせる。現地人社長が、羊の頭数の方が多いけど・・・と自ら語ったのにはビックリしたし、最果ての地・・・とも卑下していたのには破顔してしまったが、南シナ海の緊張をよそに、中国の海洋進出の脅威はNZまで及んでいないらしく、あらためて安全保障上のリスクを尋ねると、ちょっと首を捻って、ISISなどのテロリストがNZにいったん入ってしまうと比較的容易に欧米諸国に移動出来てしまうGatewayになり得ることだと答えた。そう言えばNZは、アングロサクソン系5ヶ国の諜報機関で構成される国際諜報同盟、所謂“Five Eyes”(第二次世界大戦中に米・英が結んだ秘密条約に端を発し、戦後、英連邦のカナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加わったもの)の一員で、諜報活動で得た情報をお互いに共有するとともに、相手国に対してはスパイ活動をしない非スパイ協定も結んでいることが、スノーデンが暴露した文書から明らかになった。名実ともにNZは欧米の片割れである。
続いてタイ。中国の生産工場勤務の経験があり、今はタイの生産工場に勤務する日本人の同僚は、タイ人のことを、中国人と比べて格段に日本人に近いと断言した。まあそんなものだろうとは想像できるが、彼曰く、タイ人は個人主義的な主張が激しいわけではなく、離職率もそれほど高いわけではなく、実際、長年勤務するタイ人は珍しくなく、僅かな報奨金を見返りにカイゼン提案を通して献身的に会社に貢献し、エルゴノミクスの観点から製造設備をちょろちょろ改造し、カンバンやミズスマシなどの日本的生産革新がまがりなりにも根付いていると言うのである。タイにはインラック前首相をはじめ華人が多く、逆に華人ではない首相を探すのが難しいくらいであり、バンコクに住むタイ人の8割は中国人の血を引いているとまで言われながら、華人であってもタイ人はタイ人なのである。風土や歴史は、違う民族を形造るものらしい。
そしてインドネシアは、食事も言葉も、マレーシアのそれに近い、マレー系の国で、ペナン暮らしをした私にとってはなんとなく懐かしく思えて来る。実際、インドネシア語は、マレー語のリアウ州の一方言を、国家の共通語としたものだと言われる。ナシゴレンやミーゴレンなど、マレーシアと共通の料理が多いし、食事のとき、右手にスプーン、左手にフォークを持って、スプーンをナイフ代わりに器用に使いこなすのも、マレーシアと同じ。握手の手を差し出すと、自信なげにそっと握る奥床しさは何とも言えない。インドネシアは平均年齢が28歳とか29歳と言われ、2040年くらいまで人口ボーナス期を享受できて、消費・労働の両面から経済を牽引することが期待される若い国で、羨ましいのだが、そうとばかり言っていられず、日本から出向している現地法人社長は、サービスに対価を払う習慣がまだ確立されておらず、ビジネスが成り立ちにくいとぼやいていた。発展途上の国に特徴的であり、悩ましいところだ。
上の写真は、ジャカルタのホテルの窓から見たプール。
続いてタイ。中国の生産工場勤務の経験があり、今はタイの生産工場に勤務する日本人の同僚は、タイ人のことを、中国人と比べて格段に日本人に近いと断言した。まあそんなものだろうとは想像できるが、彼曰く、タイ人は個人主義的な主張が激しいわけではなく、離職率もそれほど高いわけではなく、実際、長年勤務するタイ人は珍しくなく、僅かな報奨金を見返りにカイゼン提案を通して献身的に会社に貢献し、エルゴノミクスの観点から製造設備をちょろちょろ改造し、カンバンやミズスマシなどの日本的生産革新がまがりなりにも根付いていると言うのである。タイにはインラック前首相をはじめ華人が多く、逆に華人ではない首相を探すのが難しいくらいであり、バンコクに住むタイ人の8割は中国人の血を引いているとまで言われながら、華人であってもタイ人はタイ人なのである。風土や歴史は、違う民族を形造るものらしい。
そしてインドネシアは、食事も言葉も、マレーシアのそれに近い、マレー系の国で、ペナン暮らしをした私にとってはなんとなく懐かしく思えて来る。実際、インドネシア語は、マレー語のリアウ州の一方言を、国家の共通語としたものだと言われる。ナシゴレンやミーゴレンなど、マレーシアと共通の料理が多いし、食事のとき、右手にスプーン、左手にフォークを持って、スプーンをナイフ代わりに器用に使いこなすのも、マレーシアと同じ。握手の手を差し出すと、自信なげにそっと握る奥床しさは何とも言えない。インドネシアは平均年齢が28歳とか29歳と言われ、2040年くらいまで人口ボーナス期を享受できて、消費・労働の両面から経済を牽引することが期待される若い国で、羨ましいのだが、そうとばかり言っていられず、日本から出向している現地法人社長は、サービスに対価を払う習慣がまだ確立されておらず、ビジネスが成り立ちにくいとぼやいていた。発展途上の国に特徴的であり、悩ましいところだ。
上の写真は、ジャカルタのホテルの窓から見たプール。