かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

授業参観

2013年11月09日 19時17分10秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんの授業参観に行ってきました。
そうちゃんのクラスは、2年生から6年生までの5名。
参観の日は、3人の子どもたちがいました。
分校は5クラスありますが、それぞれ学年ごとではなく、取り組む内容によってクラス分けされているようです。

廊下から入って、久々に会ったそうちゃんの姿を見て、思わず微笑んでしまいました。
そうちゃんの方も、瞬時に私と夫を見つけ、照れくさそうにニコニコ。
チラチラこっちを見ながら絵本を見たりしていました。

そのうち授業が始まると、だんだん不安になってきたようで、こちらばかりを見て指さし、近寄ってこようとし始め・・・
先生に制止されるたびに不安定になって、とうとう大声を出し始めてしまいました。
なぜか言葉は
「おすしのてっかまき たべたい!」
なんじゃそりゃ。
ひとしきり「おすしのてっかまき」を言った後は、本人なりに必死に言葉をひねり出し、
「おとうさん おかあさん たすけてー」と言ってみたり、
「うーうー」と下唇を出して怒ったり。
こちらを指さして
「あれ きたいー」とも言っていて、あぁそうちゃんらしいなと。
「あれ」は私たちのこと。
「きたい」は「来たい」、つまり来てほしいということです。

大声を出したり、少し黙ったり、不安そうにこちらを見たりしていましたが、途中からはとうとう泣きだしてしまいました。
それも、
「うえん うえーん」と小声で言いながら。
涙をぽろぽろ流して、父母を指さして。
こぼれる涙をハンドタオルでぬぐいながら。

そうちゃんが、「泣く」ことができるようになったのはいつごろからだろう。
パニックで怒っているときは別として、悲しそうに声を殺して泣くことは、ほんのここ2年くらいの気がする。
はじめてそういう泣き方をしたのを見たのは、卒園式の舞台でした。

基本的に感情表現が不器用で、「衝動的に動く」か「怒り」くらいしかなかったそうちゃんが、
父母に抱きしめられたくて、悲しくて、泣いてる。
お父さんお母さんのところに飛んで行きたいけど、授業中で座っていなきゃいけないから、一生懸命我慢して。

授業そっちのけで廊下を見ながら、でも席から立ち上がることはなくぽろぽろ泣くそうちゃんを見て、私も胸が熱くなりました。
夫に「そうちゃん、頑張ってるね・・・」と話しかけたら、やっぱり涙がこぼれてしまった。
学校の廊下で、親が泣いてたらおかしいと、涙をこらえたんだけど。
小さなそうちゃんがタオルで涙を拭く姿は、たまらない。
親から離れた地で、こんなにも頑張ってる、まだ2年生のそうちゃん。
えらい。ほんとに。

そうちゃんは、ひとしきり泣いた後、おとなしくなり、最後の20分くらいは前を向いて授業に参加できていました。
絵と字を組み合わせる課題や、黒板に絵を描きに行くこともでき、
チューリップの水耕栽培のために水を汲みに行った時は、こぼさないように慎重に運ぶこともできていました。
先生の指示に「はい」と返事をし、落ち着いて行動できたそうちゃんに、成長を感じました。

帰りには面会室でそうちゃんと面会し、職員さんから30分ほど日々の様子をお聞きして、帰ってきました。
いろんな思いが駆け抜けた、秋の参観でした。