かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

行き場のない障害者

2024年07月12日 22時45分20秒 | みゆみゆとの生活
「行き場のない障害者」というタイトルで、朝のNHKが報じてくれていました。
今朝まで3日間連続で。
なんてタイムリーなこと。
まさにうちと同じ状況が映し出されていました。

取材で出てきた当事者は、知的障害と自閉症のある人ばかり。
やはり特にその群が多くて、対応も難しいことを表していると思う。
施設待機者は全国で約2万人。
仕方なくショートステイが暮らしの場に代わる場として利用されている。

印象的だったのは、ショートステイを一年で275回も転々としている方。
18歳までは自宅で暮らしたけど、学校を卒業してからは家族の負担が大きく預けざるを得なくなったそう。
連続して長期間使えるショートはなく、つなぎつなぎになっているようでした。
カレンダーで予定を確認するその子の笑顔がそうちゃんに重なって、切なくなったよ。

思えば18歳まで、そうちゃんにはほぼ24時間見守り担当がついていた。
そしてデイも学校も自宅も、自分で自由に出ていくことはできないように鍵などの工夫がしてあった。

今、毎日あちこち入所施設に問い合わせをしている。
今すぐ施設入所できるところは皆無。
60人定員に30人待ちとかは当たり前にある。
ショートステイの問い合わせでも、ほぼ電話で断られる。
なんと言ってもうちの場合脱走がネックで。
「脱走する子なんです。窓や玄関は自由に出られないようになっていますか?」
そう聞くと、
「虐待防止の観点から、窓の施錠は自分で開けられる仕様になっています。」
と言われることが多い。
けどさ、自分で安全が守れない子なのよ。
放課後デイが鍵をしっかり掛けているのは、「子どもは自分身の安全を守れないから。」
じゃあ18歳になったけど心は3歳のそうちゃんは?

誰かがマンツーマンでついて見ているか、自由に出られない施設の仕様になっているか。
そのどちらかがないとそうちゃんの安全は守れない。

結果的に、地域のグループホームでは無理。
基本、古いタイプの入所施設じゃないと。
親元からも住み慣れた地域からも離れるのは可愛そうだけど。
仕方ない。命には代えられない。

毎日そんな風にぐるぐると考えては涙ぐみ、これじゃいけないと我に返る繰り返し。
沈んでいても始まらない。
あさっては新しい施設の見学、そのあとグループホームの退所手続きに行ってくる。
泣かないようにする。感謝だけ伝える。

ああそれでも、そうちゃんに会いたいな、と思う親心よ。
ずっとかわいい。幸せな人生を送ってほしい。それは変わらない。

今はそんな制度ないのだけれど、こういう人にはマンツーマン対応が必要と認められて、グループホームで一人担当介助者がつけられたら。
全ての部屋の窓に施錠がしてあり、出たらセンサーが鳴るようなグループホームができたら。
働いている人が全員自閉症に詳しかったら。
そんな施設ができるといいねって歓迎してくれるような地域住民の受け入れがあったら。
そしたら、そうちゃんは地域で暮らせるのだろうか。
そんな日は来るのだろうか。