前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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北陸新幹線の課題・・「富山の会」提言から

2010年03月04日 | Weblog
公共交通をよくする富山の会が提言「将来も維持可能な並行在来線・北陸本線のために -JRの社会的責任と国の役割を求める提言-」をだした、と昨日の赤旗で報道されました。


その内容は、
提言�として、JRは並行在来線の運行と維持を経営経費に組み込み社会的責任を果たし、国は地域交通と貨物鉄道の全国ネットワークを守る役割を、とJRが責任をはたすことを求めています。

その根拠のひとつとして、「JR西日本の経営状況をみると、平成21年3月の連結決算では内部留保の一つである資本準備金は550億円。連結剰余金、資本準備金、退職給与引当金、長期債務引当金を合計した内部留保は8,944億円です。JR東日本の内部留保は2兆1,708億円にもなります。内部留保は、4年間でJR西日本は約1.44倍、JR東日本は約1.73倍にもなります。さらに、北陸新幹線建設促進同盟会の「資料」によれば、金沢まで北陸新幹線が開業した場合のJRの収支見通し(儲け・年平均)は10年後で229億円、15年後に306億円です」と、十分な「体力」をあげています。


さらに、提言� として、「より便利、より安全で、快適な並行在来線のための基本原則を確立し、県境をつなぎ、暮らしと地域経済の発展に役割を発揮する鉄道に」を提案しています。

 「北陸本線は、人身事故、踏切事故、信号機のトラブル、車両事故、雨・風など天候などによる運転の規制・抑止などは金沢の輸送指令と連絡をとり、その指示で対応しています。これは、長い年月をかけて形成された北陸本線の鉄道システムです。各県ごとの別会社にすることは、この鉄道システムを強制的に県単位で分離することになり、車両基地、運転指令、車両検査など、新たな施設・設備などの建設を沿線自治体に背負わせます」。この指摘は重要です。


さて、わたしたちは、北陸新幹線は金沢で凍結を、と提案しています。
先の「提言」もなかにも次のようなくだりがあります。
●「特急が廃止されることで、特急停車駅である石動・高岡・魚津・黒部駅のまちづくりも心配されます。
 北陸新幹線が金沢まで開業しても大阪まで開通しなくては未完の新幹線です。利益の側面だけからサンダーバードなど特急を金沢止まりとするのでは、いまより不便になってしまいます。」

● 「特急列車を運行しなければ線路容量が増えるために、普通列車を増便し利便性を高めることは可能です。しかし、青い森鉄道は今年3月から減便(三戸・八戸間)を予定しています。しなの鉄道では、線路などの鉄道施設の傷みを少しでも減らすためにスピードをダウンさせ保守費を削減しました。肥薩おれんじ鉄道はディーゼルにしました。」


・ ・・・このように、現行スキームでは、まちづくりの面でも、第三セクター経営という面でも厳しいのが現実です。
ここに、「凍結」提言が、逆に福井県と福井県民に威力を発揮する側面があるのではないでしょうか。
 
 かぎられた財政をどこにつかうのか。将来に大きな負担とデメリットも生み出しかねない新幹線計画に県民理解は得られているのか、真剣に福井県は県民への説明責任を果たすべきです。