前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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民主党が評価する足羽川ダムとは

2010年03月23日 | Weblog
   昨日は、共産党支部のみなさんと政策ポスターのはりだしや、地域訪問活動をおこないました。志位委員長の演説会に参加いただいた方々からは、「ようけ集まっていたね」「委員長の話に涙がでた。となりに座った女性も泣いていた」「みなさんの話はよくわかりました」などなどの感想をいただきました。

    ポスターはりだしに出かける前にちょうどテレビで「テレビ県議会」をやっていた。この番組は税金でつくられている番組。そのなかで民主党の県議が足羽川ダムについて評価していた。どのような理由で推進するのか、どの点がほかのダムより評価できるのか、までは話されていなかったが、福井県議会内では自民党も民主党も1500億円ともいわれている巨大ダム建設に賛成し、推進しているのは間違いない。

     わたしは、福井豪雨前も、後でも、この巨大ダムの建設に県議会のなかでただ一人反対した。

     足羽川ダムのなにが問題なのだろうか。
簡潔に書くと、つぎのようなことが云えると思う。

●当初の美山地域から、上流の池田町に計画がかわったため、洪水を集める集水面積が小さくなり、巨大ダムの治水効果に疑問があること。はずれた場合は、ダムに頼った分、被害が大きくなることも考えられる。
●堤防の裏補強や、実態におうじた遊水地など、より財政負担が少なく、治水効果も早くでる対策をとらずに、ダムありき、ですすめていること。(足羽川ダムは完成まで20~30年かかるといわれている。豪雨後の足羽川の改修工事は5年で完了した。)
● 福井豪雨以上の巨大洪水、150年に1度の洪水想定で、「福井豪雨に悪乗り」している。これは、「福井豪雨の再来なら、すでに完了した足羽川の改修事業で安全に流下する河川になる」との私の指摘をダムの巨大化でのりきろうとするもの。
● 福井豪雨での堤防決壊は県の河川管理の失敗という専門家団体である国土問題研究会が明らかにした事実をおおい隠すため、住民との関係でも「未曾有の洪水」「ダムがなかったから」の宣伝がおこなわれ、巨大ダム受け入れの下地づくりがやられたこと。
● 巨額の財政負担。しかも1500億の総事業費の3割は地元負担。いま、国も県も財政が厳しい、国民は我慢せよ、と増税や介護・医療負担の引き上げ、消費税増税も議論されている。巨大公共事業は止まらず、ますます将来の国民負担は増大することとなる。
● 県の河川の予算などは、足羽川ダムをはじめるからといって大幅に増やせるものでもない。結局、足羽川ダムに河川関係の予算が食われ、ほかの河川改修などは遅れることにつながる。
●豊かな自然環境を破壊する巨大ダムであること。


・ ・・・・まだまだ問題点はあるだろうが。

    当時の県議会の議論を振り返ってみても、かかる問題について県民や専門家の意見を聞き、冷静な議論がおこなわれたとは言えないと思う。「豪雨に呑み込まれるようにして」ダム議論が議会の内外ですすめられた、というのが実感だ。
その背景には、足羽川ダム建設促進の議員連盟がつくられており、「ダムありき」のしばりが私以外の会派・議員にはかかっていたこともあるのではないか。

    今からでも遅くはない。よく勉強し、再検討をすべきだと思う。その方が、財政問題を考えても、治水安全のことを考えても得策ではないか。