前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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原発事故で放射能汚染に怯える国民が多数いるなかで、高浜町議会が原発推進の意見書。共産党だけが反対。

2011年09月27日 | Weblog
              朝日・・・原発再稼働求める意見書採択 福井・高浜町議会
 
              関西電力高浜原発4基を抱える福井県高浜町の議会は26日の本会議で、定期検査を終えた原発の再稼働や原発の堅持を国に求める意見書を採択した。町の財政や雇用を原発に大きく依存し、町議にも関係者がいることが背景にあるが、地元から批判の声もあがる。
 福島第一原発の事故後、不信が高まり、検査で停止している原発が再稼働した例は全国的にない。高浜原発も4基のうち2基が検査中だが、福井県は「安全対策が不十分」として現状での稼働を認めていない。

 高浜町は1号機が運転を始めた1974年以来、電源三法交付金や固定資産税など原発関連の歳入が累計約1230億円にのぼる。町議には現職の関電社員が1人いるほか、原発の業務を受注する会社の経営に関わる議員も複数いる。

本会議で、共産党の町議が「福島の原発事故が収束しないなか、なぜ『堅持』の意見書か、見識を疑う」と反論したが、賛成12、反対1で可決された。

  原発がある地区で民宿を経営する男性(64)は「現段階で論外の意見書」と話した。 ・・・・・・・・




          昨日の夕方、高浜町議の渡辺孝さんから「私だけの反対1人で採択された」と連絡がありました。

「原子力事故被災地の早期復旧とエネルギー政策における原子力発電の堅持を求める意見書」というものだが、主眼は原発推進にある。

意見書は述べる。

●国のエネルギー基本計画の見直しに際しては、今後とも一定程度の原子力発電比率を確保されること。

●引き続き核燃料サイクル路線を堅持すること。

●今後とも一定の原子力発電比率を確保するためにも、超安全な新型原子炉へのリプレースを進めること。

●ストレステスト等で安全が確認された原子力発電所については、立地自治体が求める安全・防災対策の実施方針を早期に示して再稼働を進めること。・・・・・・・



          いやー、従来となんら変わらない全面的な原発推進の意見書です。

福島原発事故は「高浜町民にも大きな衝撃と不安を与えた」と書いているが、福島原発事故の収束もされておらず、故郷を追われた多数の人たちは自宅に戻ることもできないなかでの、強烈な原発推進意見書はどうだろう。

「明日は、自分たちの運命かもしれない」という気持ちはかけらもないのか、と思う。

          宮本たけし衆議院議員の話では、ドイツ大使館に招かれた際に、大使が「ドイツは、安全に厳しい日本でも原発事故を防ぐことができなかったのをみて、17基の原発全廃の方針を決めました」と語ったそうである。

          今回の意見書が、町議会議員という立場の関西電力社員や関連会社社員の「働き」があったことは事実だろう。社員は「これを広げなくては」と語っていたそうだが、語るに落ちた。

たとえて言えば、土建業者関連議員が「ダムを」「高速道路を」と叫ぶのと変わらない。節操がない。

まだ「ダム、道路」などは入札があり、推進した議員関連業者が落札できるとは必ずしも限らない。

しかし、高浜町議会の意見書にいう「リプレース」や「再稼働」などはほかの会社の利益になるのではなく、ストレートに関西電力と関連会社の利益になる。それだけに、このような自社の利益拡大に直結する議会意見書を議員という立場を利用してあげさせた動きは許されない。

究極の「やらせ」というか「自作自演」だ。