前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

福井県議会全員協議会で、保安院、エネ庁、関西電力が原発再稼働にむけた説明。意見、批判あいつぐ。

2012年05月10日 | Weblog
    昨日は、県議会で全員協議会でした。議員のなかにも再稼働をめぐり疑問や意見が錯綜しています。田中議長は終了後の記者会見で「国からこれ以上新しいものはでてこない」と延べ議論をまとめる方向、と報道されています。県議会としては、福井県原子力安全専門委員会の審議結果の報告もしっかり聞いて、各会派の態度を決めなくてはなりません。
    知事にポイントを求めたとも言われていますが、大事なことは、「着地点は再稼働」と決めてゴールをめざすのではなく、これほど山積した課題があり、県民、国民の理解が得られていないことをふまえて、議会としての調査と議論を県民にわかりやすい形で継続しておこなうことではないでしょうか。


    明日は、大飯原発再稼働反対の市民行進がおこなわれます。
     11日 午後1時半 福井市光陽3丁目の光陽生協クリニック前を出発
    福井県庁横の中央公園までを歩きます。

   県民のみなさん、「あぶない原発の再稼働反対」「国民、県民の声を知事は聞け」の声をひびかせましょう!


               ★



      福井県議会は9日、大飯原発3,4号機再稼働について安全対策を審議する全員協議会を開催しました。原子力安全・保安院の黒木審議官、資源エネルギー庁の糟谷電力・ガス事業部長、関西電力の豊松副社長・原子力事業本部長らが説明をおこないました。

黒木審議官は「福島第一発電所事故を徹底的に分析し、事故原因を解明してきた。止める・冷やす・閉じ込める、という機能は働いていた。この1年2ヶ月間かけてシビアアクシデント対策、規定値を超えた地震・津波でも燃料損傷にいたらないこと、事業者による30項目の安全対策という3つの基準をまとめた」と説明しました。

豊松副社長は「安全対策はおおむね6割ほどが完了して、4割ほど残っている。福島で原発の信頼が失墜した。あらゆる資源を投入して世界最高水準をめざす」と述べました。

 各議員からも活発な質問や意見が相次ぎました。

     私は「今日の説明を聞いて、新たな原発安全神話の説明だと思った。福島の事故原因も究明されず、安全対策は途上、住民の避難対策も決まっていない」と述べ、「関電の送電鉄塔が土砂崩壊の恐れだがいつまでに工事完了するのか。また使用済み燃料プール増強計画はあるのか」「保安院は断層について3連動で評価したというが、なぜ760ガルという値にとどまるのか非常に不透明ではないか。若狭湾の場合は、福島のように地震と津波の間に時間差がなく、巨大地震と津波が同時にくるケース想定も必要だ」と指摘しました。

     これに対して、豊松副社長は「平成24年度から25年度でおこなう。プールの増強はしない」と答え、福島事故で教訓となった送電鉄塔の対策がきちんとされないままに再稼働されようとしていることが明らかとなりました。また、福島事故でも大きな問題となった使用済み核燃料プールの増強をしない、との答弁を得たことは重要です。

      黒木審議官は「地震評価については保安院だけでやっているのではなく、外部の専門家もいれてやっている。唯我独尊ではない。わかりやすく説明していく」と答えるにとどまりました。
議員からは批判、意見が相次ぎましたが、このような保安院の体制と説明能力では限界があることも浮き彫りになりました。

     とくに自民党議員からの政府批判も特徴でした。私もかねてから主張しているように、総選挙をへた国の確固とした政府と規制体制の確立がないままでの原発議論には、国民の信頼は得られないなあ、ということも痛感しました。いまの政府がいろんなことを約束しても、1年後にはいまの形での政権継続は見込めないでしょうから。ましてや保安院はなくなる組織です。


以下報道です。

■NHK・・・・福井県議会 原発で政府批判相次ぐ


    関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡る福井県の判断が注目されるなか、福井県議会は、全員協議会を開き、国の担当者から直接説明を受けましたが、議員からは政府の対応を批判する意見が相次ぎました。

福井県の県議会は、先月14日、枝野経済産業大臣から運転再開への理解を求められたことを受けて、9日、全員協議会を開き、国の原子力安全・保安院や資源エネルギー庁などから説明を受けました。
この中で国の担当者は、政府が決めた新たな安全基準を基に大飯原発の安全性を確認したことや、この夏の電力需給が厳しいことを説明しました。

これに対し、議員からは「政府の対応はこれまでぶれ続けてきた。技術的な信用というより、政府そのものに信用がない」「枝野大臣は『個人的には運転再開に反対だ』としながらも、再開への理解を要請しにきた。『反対だといっての要請』では福井県の安心は得られない」など、これまでの政府の対応を批判する意見が相次ぎました。

また、「住民の避難など事故が起きた際の防災対策が不十分ななかでの『運転再開』はおかしい」といった再開に慎重な意見も出ました。
県議会は今後、県の専門家会議による安全性の検証結果や、おおい町の判断を踏まえたうえで、会派ごとに意見を集約し、西川知事に意向を伝えることにしています。・・・・・・