「しのび(忍)」という単語の「人目に付かないような、もののかげ。」という語釈は、日本国語大辞典では『草根集』(1473年頃)からの用例を古例として挙げていますが、もっとさかのぼる用例が複数あります。
つの国のなにはの里の夕すゝみあしのしのひに秋風そ吹
(巻第百七十二・弘長百首、夏十首、納涼)
『群書類従・第十一輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、300ページ
つのくにの-なにはしられし-あまのたく-あしのしのひに-けふりたつとも
(明日香井集・1265~日文研HPより)
「しのび(忍)」という単語の「人目に付かないような、もののかげ。」という語釈は、日本国語大辞典では『草根集』(1473年頃)からの用例を古例として挙げていますが、もっとさかのぼる用例が複数あります。
つの国のなにはの里の夕すゝみあしのしのひに秋風そ吹
(巻第百七十二・弘長百首、夏十首、納涼)
『群書類従・第十一輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、300ページ
つのくにの-なにはしられし-あまのたく-あしのしのひに-けふりたつとも
(明日香井集・1265~日文研HPより)
「細波(さなみ)」という単語の用例は、日本国語大辞典第二版では、『散木奇歌集』(1128年頃)からの例が早いのですが、さかのぼる用例が複数あります。
河上に夕立すらしみくづせくやなせのさ波立さはくなり
(巻第二百六十二・曾禰好忠集、夏、六月初)
『群書類従・第十五輯(訂正三版)』1987年、292ページ
山川は氷にけらし鴛鴦の羽(は)風のさ波音もせぬまで
(冬十五首、凍、1002)
『和歌文学大系15 堀河院百首和歌』平成14年、明治書院、185ページ
「志賀の山」という用語の古い用例は日本国語大辞典・第2版では、『連理秘抄』(1349年)ですが、200年以上さかのぼる用例があります。
志賀の山心はなにそ越つれと霞にさへもまよひぬるかな
(巻第百六十八・永久四年百首、春、志賀山越)
『群書類従・第十一輯(訂正三版)』塙保己一編、続群書類従完成会、1993年、182ページ
「袖の月/月影」という用語は日本国語大辞典・第2版では、『嵯峨のかよひ』(1269年)からの例が早いのですが、もっとさかのぼる用例があります。
野辺の露浦わの浪をかこちても行へもしらぬ袖の月かげ
(41・御室五十首、藤原家隆、旅、600)
『新編国歌大観 第四巻私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、622ページ
「袖の滝/滝つせ」という用語は日本国語大辞典・第2版では、『新拾遺和歌集』(1364年)からの例が早いのですが、100年以上さかのぼる用例があります。
いつまでか袖(そで)のたぎつ瀬(せ)おろかなる涙の玉といひけたれけむ
(巻第十一・恋歌三、2329)
『万代和歌集・下(和歌文学大系14)』安田徳子、明治書院、2000年、32ページ
「末葉(すえば)」という単語には「終わり頃。末端。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、室町末-近世用例を早い例として挙げていますが、400年ほどはさかのぼる用例が複数あります。
かそふれは-なつもすゑはに-なりにけり-あさのたちえや-かりにゆかまし
(久安百首・01131 上西門院兵衛)~日文研HPより
ふみわくる-やまのしたくさ-うらかれて-あきのすゑはに-なりにけるかな
(清輔集(清輔朝臣集)00181)~日文研HPより
左 有家朝臣
うら若きやよひの野辺のさいた妻春は末葉になりにけるかな
(六百番歌合、春十五首、二十九番・残春)
峯岸義秋校訂『六百番歌合・六百番陳情(岩波文庫)』岩波書店、1936年、77ページ