鳰(にほ)どりのかくれてすみし池水のしたの通ひも氷とぢつつ(宝治百首)
にほどりの下のかよひも絶えぬらむ残る波なき池のこほりに(新後撰和歌集)
冬の池にすむにほどりのつれもなく氷のしたに我はかよはむ(古今和歌集)
庭の池のにほの浮き巣のうきとだにしられぬ中の寄る辺をぞまつ(入道大納言雅親卿百首)
したにこそかよひしものをいかにして鳰のうき巣の浮き名たつらむ(新千載和歌集)
浮き名のみたつあだ波の浅き瀬は通ふかひなきにほのした道(新拾遺和歌集)
にほどりの下にかよひし道だにもいかなるえにか変はりゆくらむ((延文百首)