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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 冬 冬の庭

2014年10月27日 | 日本古典文学-冬

あはれさはをきのはそよくあきよりもこのはのにはのふゆのゆふかせ
(為兼家歌合~日文研HPより)

前栽の霜かれたるを見て 欣子内親王
霜かるゝ千種の花の籬こそ秋みしよりも哀なりけれ
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

冬歌の中に 権中納言実清
埋れし庭の落葉に霜消て又あらはるゝ秋の色かな
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

落葉の心を 皇太后宮大夫俊成女
ふみわけてさらにたつぬる人もなし霜に朽ぬる庭の紅葉は
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 後京極摂政前太政大臣
古郷のはらはぬ庭に跡とちて木のはや霜の下にくち南
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 前中納言雅孝
降けるも真砂のうへは見えわかて落葉に白き庭の薄雪
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

 西の町は、北面築き分けて、御倉町なり。隔ての垣に松の木茂く、雪をもてあそばむたよりによせたり。冬のはじめの朝、霜むすぶべき菊の籬、われは顔なる柞原、をさをさ名も知らぬ深山木どもの、木深きなどを移し植ゑたり。
(源氏物語・乙女~バージニア大学HPより)