題しらす 人麿
さをしかのいる野の薄はつお花いつしかいもか手枕にせむ
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
女につかはしける よみ人しらす
よそにても有にしものを花すゝきほのかにみてそ人は恋しき
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
題しらす 躬恒
秋風に音はすれとも花薄ほのかにたにも見えぬ君哉
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
女のもとに遣はしける 岩屋の左兵衛督
花薄末越す風のほのかにもそよと答うる声を聞かばや
(風葉和歌集~岩波文庫「王朝物語秀歌選」)
二条院の御時、うへのをのことも百首の歌たてまつりける時よめる 源のみちよしの朝臣
我恋はおはな吹こす秋風のをとにはたてし身にはしむとも
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
題しらす 前僧正宋縁
思ふとも誰かはしらん初尾花またほに出ぬしたの心を
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
秋歌の中に 源重之女
まねくとも頼むへしやは花すゝき風にしたかふ心なりけり
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
清涼殿の御前のすゝきをむすひたるをたかしたるならんといひて内膳の命婦のむすひつけさせける
ふく風の心もしらす花すゝきうらにむすへる人やたれそも
殿上人返しせんといひすさむほとにまいりあひて
風のまにたれむすひけん花すゝきうは葉は露も心をくらし
(実方朝臣集~『群書類従 14』)