文保百首歌中に 後光明照院前関白左大臣
なく蝉のこゑより外は夏そなきみ山のおくの杉の下陰
(新拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
なつやまのみねのこすゑしたかけれはそらにそせみのこゑもきこゆる
(和漢朗詠集・巻上・夏・蝉~日文研HPより)
建仁三年影供歌合に、雨後聞蝉といふ事を 皇太后宮大夫俊成女
雨はれて雲ふく風になく蝉の声もみたるゝもりの下露
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
夏声といふことを 今上御歌
風高き松の木陰に立よれはきくもすゝしき日くらしの声
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
なくせみのはにおくつゆにあきかけてこかけすすしきゆふくれのこゑ
(六百番歌合・夏・蝉~日文研HPより)
ゆふたちのはれをまちけりやまひこのこたふるやまのせみのもろこゑ
(影供歌合-建仁三年六月十六日~日文研HPより)
寄蝉恋といへる心を 丹波尚長朝臣
夏衣おりはへ蝉のねにたてゝうすくや中の遠さかりなん
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
入日さしなく空蝉の声きけは露のわか身そ悲しかりける(曾禰好忠集~群書類従15)
題しらす 忠峰
哀といふ人はなくとも空蝉のからになるまてなかんとそ思
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
待賢門院かくれさせ給て後六月十日比、法金剛院にまいりたるに庭も梢もしけりあひてかすかに人影もせさりけれは、これに住そめさせ給し事なとたゝ今の心ちして哀つきせぬに、日くらしの声たえす聞えけれは 堀川
君こふるなけきのしけき山里はたゝ日くらしそともに鳴ける
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
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