monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「取り舵」用例

2022年07月10日 | 日本国語大辞典-た行

 「とりかじ(取舵・取梶・取楫)」用例で日本国語大辞典よりもさかのぼる用例を見付けました。語釈は、右または左へ回頭するという意味は含んでいないようなので、単純に「舵を操る」という意味ではないかと思います。

あしねはふ うき身の程を つれもなく (略) と渡る船の とりかちの とりもあへねは (略)
(巻第百六十九・久安六年御百首、散位清輔)
『群書類従 11』1993年、225ページ

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「星の宿り」用例

2022年07月09日 | 日本国語大辞典-は行

 「星の宿り」という語には「星の位置や運行。星座。」という語釈があり、日本国語大辞典第2版では、『高遠集』(1011-13頃)からの例を挙げていますが、100年ほどさかのぼる用例があります。

ひつきゆくほしのやとりはかはるともしらきのくにはかちはかわかし
(巻第四百四・日本紀竟宴和歌)
『続群書類従 15上』1979年、57ページ

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古典の季節表現 秋 七月七日 かささぎの橋・寄羽の橋、雲居の橋、天の小夜橋

2022年07月07日 | 日本古典文学-秋

あまのかはみたえもせなむかささきのはしもわたさてたたわたりせむ
(古今和歌六帖~日文研HPより)

あまのかはみきはこよなくまさるかないかにしつらむかささきのはし
(皇太后宮歌合_永延二年七月七日~日文研HPより)

ゆふたちにみつまさるらむあまのかははるかにわたせかささきのはし
(夫木和歌抄~日文研HPより)

けふはよもあめにさはらしかささきのはしよりかよふほしあひのそら
(草庵集~日文研HPより)

たなはたのあまのかはもりこころあらはかへさわたすなかささきのはし
(久安百首_花園左大臣家小大進~日文研HPより)

七夕のこゝろをよませ給ける 院御製
秋ことにとたえもあらし鵲のわたせる橋のなかき契は
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

かささきのつはさにかくるはしなれはくちせむものかほしのちきりは
(沙玉集~日文研HPより)

こひわたるつきひをへてもけふにのみちきりをかくるかささきのはし
(元徳二年七夕御会~日文研HPより)

元徳二年七月七日、内裏にて三首歌講せられける時、七夕橋といふことをつかうまつりける 前中納言公脩 
逢せをやたとらすわたる夕月夜光さしそふかさゝきのはし 
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

七月七日、人のもとに
七夕におとるものかは物をのみ思ひぞわたるかささぎの橋
(和泉式部集~岩波文庫)

かささきのよりはのはしをたなはたのいくあきかけてまちわたるらむ
(元徳二年七夕御会~日文研HPより)

かささきのよりはのはしのしろたへにひかりもまかふあきのよのつき
(元徳二年七夕御会~日文研HPより)

光明峰寺入道前摂政家秋三十首に 正三位知家
かさゝきの雲ゐの橋の遠けれはわたらぬ中に行月日哉
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

雲はるるあまのさよ橋たえばこそわたりもすらめ七夕つめは
  あまのさよ橋とは天河に七夕のわたし給ひし橋なり、夜るわたれば、さよ橋と云ふなり
(秘蔵抄~新編国歌大観5)

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「青菅(あおすげ)」用例

2022年07月03日 | 日本国語大辞典-あ行

 「青菅」という語の古い用例は、日本国語大辞典では1884年のものが挙げられていますが、もっとさかのぼる用例があります。

はしだての倉梯川の青菅を我かりて笠にもあます河のあをすげ(夫木和歌抄・巻二十八・菅)
『校註国歌大系22』国民図書、1930年、342ページ

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