真夜中の闖入者。
昨夜というか午前3時 トイレに起きた後いきなり一匹のコウモリが自室に乱入して来た。 深夜丑三つ時を過ぎた頃 静寂を破る型破りの闖入者であった。部屋は予備灯しか点いてお......
昨夜というか午前3時 トイレに起きた後いきなり一匹のコウモリが自室に乱入して来た。 深夜丑三つ時を過ぎた頃 静寂を破る型破りの闖入者であった。部屋は予備灯しか点いておらずこんな闇を飛べるのはコウモリしかいない。
彼の目的は分からないが 網戸の隙間をこじ開けて侵入したものと思われる。頑丈な造りなのに凄い力だ。コウモリは音を発するでもなく部屋の中をひたすら旋回している。侵入してみたものの心なしか焦っているようだ。
仕方がないので網戸を全開にし捕虫網(害虫捕獲用に置いてある)で誘導しつつ「出ていくなら其処だよ。」と念じてみた。すると彼は合点をしたように飛跡を変え外の闇に消えて行った。
中型のコウモリなのでそこらの洞穴に居る連中とは違う種類だろう。愛好家が飼育していたのが逃げ出したのかもしれない。不思議なことは彼が消えたすぐあと 立て続けに停電が断続したことだ。単なる偶然か?
いつもの蝶たちや小鳥たちとは趣を異にした遭遇であった。相手が相手だけに魔法使いが突然現れたようなそんな摩訶不思議な感覚に陥ったのだ。実際 旋回中は部屋の中は異次元の振動波で充満したようである。
その後は嘘のように静寂となり 「何だったんだろう?!」とお腹の底から笑いたくなるような 久々の解放感に満たされたのであった。閃いたことだが マテリアル界の電気とエーテル界の電気(電氣)が繋がったように感じたのである。
… … … … …
そうか あれはもう一年になるのか。『蝶』たちとの交流とはまるで異なる存在感だったなぁと いまでもその時の周波数感触を想い出す。捕食のために何かを追いかけていたのか それとも私という存在に好奇心がわいたのか謎ではあるが 突然の闖入者であったことは間違いない。私も静けさを破る予期しない形の訪問はお断りしたいものである。
また来て欲しいとは望まぬが 出口を指し示した時 彼(コウモリ)が即素直に反応してくれた時は 如何なる生物も意念交信は可能なのだと安堵の境地を得たのであった。