ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

フロンティア・スピリット

2007-04-10 23:29:10 | Public
ユナイテッド93と、ハイジャックフライト93を見た。どちらも9.11テロで激突・墜落した飛行機4機のうちのひとつ、ユナイテッド93、唯一攻撃物まで到達せずにペンシルバニアの農村地に墜落した飛行機に焦点を当てた映画だ。後者は原題は「The Humburg cell」。

前者はドキュメンタリー映画の類で、ハイジャックされて混乱した機内を想像し、再現しようとしている。クウィリティーは高いと思った。後者は、悪くは無かったけど、最後の炎上した貿易センタービルを見る頃には「中間選挙でも意識して、テロを思い出させるためのフィルム?」と思ってしまった。

「わたしたちの世代」とはどこまでを指すのだろう。
世代とは、「何をリアルタイムで見、話題にしながら生きてきたか」ということでも区切られるのかなと最近思う。戦後、冷戦の始まり、高度経済成長期、ベトナム戦争、オイルショック、カンボジア内紛、日航機墜落、ボスニア紛争、湾岸戦争、ソビエト崩壊、、、これくらいまでは、私の中では「現代史」になる。
阪神大震災、オウム真理教事件、サカキバラセイト、砒素混入、奥尻島の地震、インドシナ沖地震、東ティモール独立、アフガニスタン侵攻、イラク戦争、、、なんかは、「現代:目の前で起きてきた出来事」に入る。
責任もって、目の前のことくらいはしっかり見ていかなくちゃいけないよな、と危機感を感じることがある。現代史のこともそうだが、特に現代のことを。

たとえば、アフガニスタン侵攻のことも、混乱して理解してないところがたくさんある。同時多発テロが起こって、その行動主体がアルカイダという団体、オサマビンラディン氏が総統として指名され、本拠地アフガニスタンを侵攻した。それにより、アルカイダを支援していたタリバン政権が崩壊、パレスチナへ逃走。パレスチナはアメリカから軍事支援を受けながらも、タリバンと和解をしたり、やっぱり出来なかったり。そんなところに、「大量破壊兵器の保持」が疑われるとしてアメリカはイラクにも侵攻。

世界の政治や経済、軍事関係、なんでもそうだが、「敵の敵は味方」の原理で動いていると感じる。それが、世界の勢力図を極端に二分化したり、複雑にしたりしている。世界を舞台に、そんな形相が出来上がってきたのは、冷戦前からなのだろうか?第二次世界大戦から?

「フロンティア・スピリット」は、アメリカの西部開拓時代の合言葉だが、これがアメリカの生まれてからの行動原理でもある、という話を今日聞いた。
東から西へ!そこには「フロンティアの終わり」があった。次は世界へ!アメリカ経済の離陸。そして民主主義世界へ!フロンティア・スピリット。なんだかいろんなところが納得いく。生まれつきなんだ。

アメリカ人は、西海岸に「果て」を見たとき、嬉しかったんだろうか、悲しかったんだろうか。2億7千万人いるアメリカ人の中で、どれくらいが彼らの血を引いているのだろう。その割合は、アメリカ政府や国防省の中では、やっぱり高いのだろうか?そんなアイデンティティーが、行政府にばかり濃縮されていかなければいいのだけど。