亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

順調に整理が進んでいる金市場

2005年11月15日 15時12分18秒 | 金市場
(15:12)またまたグリーンスパン議長のウォーニング。今度はメキシコ中銀のコンファレンスに衛星参加してのもの。11月3日の議会証言は、どちらかというと財政赤字に重点を置いたもの。今回は経常収支の赤字拡大に重点を置いたもの。「赤字の穴埋めの資金調達には支障は出ていない」けれどいずれこのままでは支障が出てくる、と。配慮を感じるのは、これだけ膨れ上がった赤字でも足元ではドル高が続いており支障はないんだという部分。影響力の大きさを考えても、一応現状を肯定しておく必要があるということではないか。その上で、これ以上膨れ上がると(従来繰り返してきた)ドル安を用いた為替調整でもこの規模の赤字は減らすことができない、そうなると金利の急騰など(悪い金利の上昇)に遭遇する可能性が高いとしている。

おおむね11月3日の議会証言と同じだが、直近に発表された貿易収支の赤字が過去最大に膨らんだことを意識したものといえる。

金市場は、注目のNY市場でのファンドの動向を見るデータの発表が先週末のベテランズデー(復員軍人の日)の関係で1日遅れの昨夜あった。結果はネットの買い越し残が4週連続で減少し382トンとなっていた。順調に整理が進展しているといえる。かなり軽くなってきた。それでもこの間の調整にともなった下げは極めて限定的だったといえる。私のところにも、「レフコの問題に絡んで近々ドル建て金は暴落する」という話があるなどとご丁寧に連絡をくれる向きまでいたが、よく聞くと希望的観測のような話だったので無視していたが、それから3週間経過しているがレフコ関連では何も起きない。むしろ事件発覚直後に整理売りは見られていたので、当事者もそんなにのんびりとは構えていなかったと見られる。むしろ信用リスクが高まるのであれば、金価格の押し上げ要因になったのではないか。信用リスクというと、GMがますます追い込まれている様子。以前からその内金市場の材料になるのでは、としてきたが、債券市場では警戒モードが高まっている様子。

本日はこれより、東京の調査部会で1時間半話をさせてもらいます。
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