本日のユーロ圏の株式市場の下げがまた目立ってきた。日本時間19時半時点で英、仏、独など2.5~3.5%程度の下落となっている。16日の独仏首脳会談が今後の域内の枠組みについて改善の方向性を示したものの、足元の不安定な金融市場については何ら打開策を示すことなく、一般的な改革の方向性を示し細目はこれから詰めるという従来のパターンに終わったことに対する失望か。
市場が求めているのは、ドイツ、フランスという域内中核国のさらなる財政的関与にある。総額4400億ユーロの欧州金融安定化基金((EFSF)の拡大論議は早晩避けられないと見られるが、そうした方向性はそれぞれの国内世論を考えてか、触れられず終わっている。一筋縄で行かないのは分かるが、市場が求めているのはそうした金融不安定化への抑止効果の期待できる具体策であって、理想論的な方向性ではない。独仏首脳会談という期待を持たせるセッテイングの結果が、肩透かしでは株式市場の反応もネガティブなものになろう。
先週はECBによる国債の買い取り額が昨年5月のギリシャ問題をきっかけとしたプログラム開始以来の最大規模となる220億ユーロ(約2兆4300億円)になったとのこと。主にスペイン、イタリア債を買い支えたものだが、この買い自体がECB内でも意見対立があり、バイトマン独連銀総裁他3名が反対したことが明らかになっている。今月4日に国債買い取り再開に際しては、実は昨年は理事会名で声明文が発表されたが、今回はトリシェ総裁名で発表された経緯がある。こうしたECB内部でも意思統一ができていない状況につき、市場が安定を欠くのも無理からぬところか。
金価格が再び1800ドル大台に乗り新値をうかがう様相。今夜日本時間9時半には各種注目指標の発表が控えている。
前回の高値を軽く超えてきました。
この地合いなら2000ドルなんてのも視野に入ってきましたかね。