亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「Taperingより難しいゼロ金利解除」

2014年05月22日 20時56分46秒 | 金市場
結論としては日本時間の今朝発表された4月のFOMC議事録にサプライズはなかった。それでも強気の景気判断やゼロ金利解除に向けたFRBスタッフによるunwind(政策の巻き戻し)手段のプレゼンを実施という内容には、現地14時の発表後に急落したのは、これまたコンピューター・プログラムが反応したものだろう。しかし、それも直ぐに買い戻されまたこのところの定位置の1290ドル台に舞い戻った。そう、まさに舞い戻った。下げも早ければ、戻り方も早い。無機質なロボット相場が続いている(添付のチャート)。

議事録を離れて昨日講演したカンザス連銀のジョージ総裁が「非伝統的な政策の導入は未知の領域だったため、その解除も同様に実験的なものになると私は確信している」としたと。イエレン議長が転出したあとの唯一の女性地区連銀総裁だと思うが、投票権を持っていた昨年まではFOMCでは毎回QEに反対票を投じていた人物でもある。この言葉は、同感。議事録でも、出口政策の検討はしているものの、それは「将来に備えた議論」とか「必ずしも正常化がすぐに始まるわけではない」・・・とか、言いわけをしなくてはいけないほど、市場の過剰反応に気を使っているのがわかる。ここで長期金利が上がってしまうと、現時点で減速が懸念されている住宅市場にもマイナスだし、そもそもFRB自体が米国債を腹いっぱい抱えているし・・・でそりゃぁ気を使うよな、という感じ。

ところで、政権交代で金市場では一定の予想があったインドの金輸入の規制緩和が発表された。金地金の輸入量の20%は宝飾やコインなど加工品として輸出しないと、次の輸入枠を与えないという通称「80:20」が撤廃される。それでもインドの輸入は増える・・・・とは簡単には言えない。密輸が正規輸入に振り替えられるには輸入関税の引き下げが必要となる。

本日は夕刻17時から、日経CNBC「マーケット・トレンド」出演でした。時間が無いのに内容を欲張りすぎました。明日は、ラジオ日経「マーケット・トレンド」です。17時30分からですが、こちらは契約していなくてもネットで聞いてもらえます。

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