亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ラジオNikkei「マーケット・トレンド」

2007年08月19日 20時08分20秒 | 徒然(つれづれ)

昨日の東京は、北の大気に太平洋高気圧が南に押しやられ久々の涼しさだったが、本日は元通り。先週末金曜日(17日)の夕刻は、銀座の日航ホテルの隣に設置されているTOCOM スクェア(東京工業品取引所の情報スクェア)からラジオNikkei(旧ラジオたんぱ)が毎日放送している番組「マーケット・トレンド」に生出演。スケジュール自体は月初に決まっていて、テーマは「大証の金ETF」について。15分番組で正味11分程度。当日は、日本時間前夜のNYで金価格は20ドル超下げ、大証「金ETF」もドル円急落(円急騰)の影響もあって前日比140円安の2375円引け。8月10日に大証2部に上場されたが、国際的な金融市場の波乱の中での船出。初値は2580円だったので既に8%の下落。取引単位が10口(10グラム)なので17日の終値換算で2万3750円(+手数料)となる。手軽に金投資が始められることになった。番組でも指摘したが、この金ETFは日本の法制により国際的な主流となっている「地金の買い付け」を伴うものではなく、金価格に連動するように作られた債券(金リンク債)に投資するというもの。その点で金投資の派生的金融商品ということになる。富裕層や機関投資家は、「信用リスク」がないという本来的な実物資産としての金投資の性格を重視する傾向が強く、地金の裏付けのあるものを選択すると見られる。ただし、この商品は手軽に少額から金投資ができるという点で、投資家にとっては(一般に馴染みのない)金という投資上の選択肢が増えることに意味がある。分散投資という面で国内では、手軽な対象が限られていたためだ。おそらく今後、コモディティ(商品)分野に投資するETFなど品揃えが進んで行くだろう。金ETFを入口に、地金現物の購入や(スキルを高めた投資家の中には)先物取引などへと範囲を広げる投資家が出ると思われる。その面で国内の金市場の厚みを増すことにつながりそうだ。

ラジオNikkei「マーケット・トレンド」

http://blog.radionikkei.jp/trend/index.php?ID=929

 


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3 コメント

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金曜に現物購入・・・しました (ゴールドマン)
2007-08-20 12:45:59
田中貴金属は混雑していたので新店舗の三菱マテリアルへ。。。こちらは閑散。。急落しているにもかかわらず株式市場とは対照的な印象を受けました。人目を避けるかのように数人のお客さんがいました。ドサッドサッと札束を置く音。バタバタと機械で数える音。どちらも好きな効果音です。笑
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ありがとうございました (初心忘るべからず)
2007-08-20 07:09:39
「いつも拝見しています」さん「K」さん、丁寧なコメントありがとうございました。小生、新参者でわからないことばかりですが、このブログで少しずつ勉強させてもらっています。以後もよろしくお願いします。
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FFレートと公定歩合 (K)
2007-08-19 22:03:22
昨日あるいは本日の新聞の用語解説でも見かけたので読まれた方も多いでしょう。改めて書くまでもないのでしょうが、FFレートは金融機関同士の貸し借りレート。公定歩合は中央銀行が金融機関に貸し出す際のレートです。なぜそれが有名無実化しているのかというと以下のようなことです。

FFレートで借りられず高い金利を払って中銀から借り入れる金融機関は、それだけで「危ない」というサインとなるため、よほどのことがない限り利用するところはないということ。まさに中銀は「最後の貸し手」というわけ。そこで金融政策もこの公定歩合の上げ下げよりも、FFレートを使って行うということになっているのです。正確には「FFレートの誘導目標」ということで、今なら5.25%になるべく近くなるように中銀は(この場合FRB)資金を放出したり吸収したりということをやります(その方法はここでは触れませんが、ネットで調べられます。公開市場操作です)。つまり今や公定歩合は金融政策上、象徴的な意味合いしかもたなくなっているわけです。それで有名無実化と書いたわけです。直接的に市場に影響力を行使するなら、FFレートの誘導目標値を引き下げることになります。

もっとも、今回の措置が公定歩合を再び蘇らせて、もっと躊躇せず、利用しなさいというメッセージである可能性もあり、それは時間の経過とともに明らかになるのでしょう。
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