亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドルの米国回帰

2014年09月22日 23時54分35秒 | 金市場
ICEフューチャーズに上場されているドル指数が先週末で10週連続の上昇となった。このところのドルの独歩高を象徴する事例だが、ここまでの上昇はWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)によると少なくとも28年は見られていない・・・と。

先週までの加速したドル高は、月初にECBによる利下げと資産買い取りの開始があり、そこに日銀の追加緩和見通しが高またことによる。さらにスコットランドでの住民投票が加わり、最後にFOMCでの出口戦略の明確化がドル相場をさらに押し上げることになった。

週末金曜日のNY市場は、株式市場での巨大IPO(株式公開)が成功理に終わったことで、NYダウも過去最高値を更新して取引を終えている。言うまでもなく中国の電子商取引最大手アリババグループがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場されたわけだが、時価総額では、米国上場企業の中で上位20社の中に入る規模となる。当のアリババは公開価格(68ドル)を38%上回る93.89ドルで取引を終了した。世界的なマネーの流れが米国に向かっており、ファンドの投機的なドル買い以外にそうした流れがドル上昇の加速をもたらしているようだ。先週末でスコットランドの独立問題は当座の決着がつき材料性は後退する。

先週はFOMCで政策方針が出される前の16日火曜日に4トン強、後の19日金曜日に金ETFの最大銘柄にまとまった解約が出たが、うがった見方をするならば、アリババの買付けに供されたものではないかと思われた。

週明けの金市場は、徐々に値頃から入り始めた実需の買いに対し、ファンドの売りが対峙するような展開で、買いにはショートカバーもあると見られる。駆け上がったドルだが、調整局面がそのまま金を含む貴金属の反発につながりそうだ。

このドル高だが米国政府は歓迎のようで、確かに資金を米国に呼び戻すことに伴い起きているとすれば、いいドル高ということだろう。資金還流が増えれば90年代のように株高も持続し、内需支援という流れも出てくる。

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