欧米メディアのみならず国内一般紙も政府関係の内部文書を大々的に公開した「ウィキリークス」について報じている。ヒラリー・クリントンが「世界の安全保障への攻撃」と表現したと報じられているが、確かにネット上でのゲリラ戦の様相。これまでのようにハッカーが侵入し特定者の利益のために情報を盗むのではなく、公にしてしまうのだから、発言者の視点によりこれはプロ・コン入り混じることになる。ただし、どこも情報管理を厳しくしているので外からのアクセスで漏れたのではなく、多くは内部の人間が持ち出したということになる。灯台下暗し、敵は内部にありということだが、持ち出す方が「内部告発≒(表に出せない話はやましい話で外に出すのは)いい行い」という認識も育っており、「正義」とは何ぞや?という今流行りの話に行きつきそうだ。それを集めて公開するのは、正義の衣をまとった単なる愉快犯だっりして・・・・。
その「ウィキリークス」が大手米銀の内部文書を握っており、年明けにでも公開するんだそうな。「メガ級のリーク」と創設者は言っているらしい。ここまでの経緯からその発表内容は、欧米世論を刺激するのは間違いなかろうから、事と次第では行く行くは「QEⅡ」など吹き飛ばしてしまうかもしれん。なんだか、ますますややこしくなりそうだ。ゴルゴ13のストーリーでもあるまいに。
さて市場の動きとしては、足元でスペイン債のみならずイタリア債も売られ、ドイツ国債とのスプレッド(利回り格差)はユーロ導入以来最高となっている。先週、「例のストレス・テストの信頼性が揺らぐ事態」と書いたが、その指摘の声は高まっている。まぁ、当初から甘さがいわれてきたので早くもホコロビが出て来たということだが。
1年前にギリシャの破綻は絶対にない、ということだったが、今や(どの国であれ)破綻の際は(手は差し伸べるが)投資家にも応分の負担をという、立ち位置の大きな変化を認識いたしましょう。この1ヵ月ドルは買われドルインデックスも80ポイントを超えて来た。昨日今日はその中で金も買われている。
ところで昨日取り上げたIMFの保有金売却プログラムだが、いよいよ最終コーナーに入って来た。10月の売却は62万8000オンス、約19.5トン。年内に完売となりそうだ。ETFが増えてないので、誰がこれを買っているんでしょうねぇ。