先週末11月26日のNY市場の金価格は、サンクスギビングの休暇明けの薄商いのなかで続落となった。北朝鮮による韓国への砲撃をきっかけにした地政学的リスクによる買いも一巡し、ユーロ圏のゴタゴタを嫌がるファンドの売りが薄商いのなか値動きを大きくした。したがって、あまり参考にはならない。
市場の関心はアイルランド救済というユーロ圏の信用リスクの高まりに向けられたが、ポルトガル、スペインと相次いで国債が売られたことからEU(欧州連合)は慌てて対応策を協議、発表した。
将来の債務危機に際しての投資家負担の発生(元本割れもアリ)というドイツ案は、結局その都度検討し、負担を求めるのは最後の手段というその場しのぎの先送り策が発表された。国債といえどデフォルトになれば元本割れはあるが、ユーロ圏は通貨ユーロの体制を死守すべく危機の連鎖は困るので皆でカバーするが、本来なら負担は発生するでしょ、だから少しは負担しなさい、という話。稼いでも稼いでも、南欧の尻拭いにその稼ぎを廻すのでは国民が納得しない。まして州選挙もあるし・・・・というのはメルケルおばさんの立場。この12月1日にポルトガルの政府短期証券、2日はスペイン国債と入札が予定されているが、このスケジュールを意識したものか。いずれにしても来年春(4月)に両国ともに償還の山が来る。
さて今週は米雇用統計だが、金市場の動向という面ではIMFの売却結果発表に注目している。