週明け12月12日のNY金は5営業日ぶりの反落となった。NYコメックスの通常取引は前週末比18.40ドル安の1792.30ドルで取引を終了。注目度の非常に高い本日発表の11月米消費者物価指数(CPI)や14日の連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表を控え、1800ドル超では利益確定の売りが出たとみられた。
市場関連では、この日の米10年債入札がやや低調に終わったことで長期金利が上昇し(価格が低下)、ドルが強含みに推移したことで金市場では売りが出やすかった。総じてイベント前のファンドの手じまい売りで下落という印象の下げとなった。再び節目の1800ドルを割れるとともに、低下トレンドにあり1799ドルまで下げている200日移動平均線をも下回ることになった。
本日発表の11月米CPIは、総合指数が前年比7.3%上昇と、前月の7.7%から伸びが鈍化。さらに変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比6.1%上昇と、前月の6.3%上昇から鈍化する予想になっている(ロイター調査)。予想通り鈍化が確認されると、FRBによる来年の利上げ観測が後退し金利先高観やドル先高観の後退につながりそうだ。
週明けの米国株式市場が大幅高になったのは、それを見越してショートカバーが入ったとみられる。
ただし、先週末9日に発表された11月米生産者物価指数(PPI)の評価では、前年比で7.4%と過去18カ月で最も低い伸びにとどまったにも関わらず、細目のサービス価格の前月比の伸びが0.4%と3カ月ぶりの高い伸びになったことで、長期金利は上昇し株価は下落と反応が大きくなった経緯がある。FOMCを前に市場は家賃や人件費、それらに関連するサービス価格の上昇に神経質になっている。