日本時間の昨夜10時半に発表された11月の米消費者物価指数(CPI)。市場に関心のある多くの人がライブで見たと思われるが、結果判明直後からドルが大きく売られることになった。
今年の大きな特徴はドル高で、強いドルが最後は強すぎるドルの領域まで駆け上がったのは、相場の常であり、振り子は振り切れるところまで行かないと戻ってこない。 ドル高の背景にあったのが、FRBによる急激な引き締め策であり、どうやらその終盤に差し掛かったと見られるところでドルの上値が重くなり、反転が始まった。
ドル円相場に関して日本要因はほとんど関係なく、米国要因のみが主導した相場ゆえに、日本の状況は何も変わっていなくとも、米国要因の変化で一気にドル安円高ということに。
CPIの結果は報道に詳しいので、そっちを見てもらうとして、昨夜は結果を受け、ドルは対ユーロで6カ月ぶりの安値に下落した。ユーロは6月以来の高値となる1.0673ドルを付けた。対円では一時134.68円まで下落した。主要通貨に対するドル安を受けドル指数(DXY)も急落した。一時103.586まで下落、終値も103.980と6月16日以来6カ月ぶりの低水準で終了となった。
DXYは今月に入り200日移動平均線を割り込んでおり、13日はかい離幅も拡大しており中期的な下落基調入りした可能性がある。つまり、DXYとNY金の逆相関性の強さを考えると、この点からもNY金は中期的な上昇基調入りした可能性が指摘できることになる。NY金は12月に入り200日線を超えている。
このドルの方向性に影響を与えるのが本日のFOMCの判断ということになるが、多少の波乱はあっても、巻き戻しの流れは変わらないと思う。結局、ターミナルレート(今回利上げ局面の上限金利)は上がっても5.25%止まりと思うがどうなるか。明朝4時に声明文の発表、メンバー全員の経済予測の公表とパウエル議長の記者会見が4時半から。