亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

国家による(キャリー)トレード

2010年11月09日 21時54分04秒 | 金融市場の話題

本日の日経夕刊でも報じられていたが、財務省が発表した9月の対内証券投資で中国が日本国債を7692億円売り越しというニュース。8月の2兆182億円の売り越しと合わせて2兆7874億円の売り越しとなったと。年初からの中国の対日証券投資は2兆3159億円とのことで、年初来からのデータでも売り越しということになる。なぜ、このタイミングで売ったのか。

 

これがどうもこの間のドル円相場でドル安円高に振れた為替差益を取りに行ったという見方があり、どうもそうらしい。そもそも、利回りの低い日本国債を中国が外貨準備に組み込むと逆ザヤになるようなのだが、今年の前半にドル資産(米国債)から円資産(日本国債)する大元のドルは人民元を安値安定させるために人民元売りドル買い介入で得たもの。その人民元の調達コストが約1.2%なのだそうな。これでは日本の長期債のみならず短期債など完全に逆ザヤで為替差益狙いでもないと合わないということに。

 

そういえば、ここにきて中国が国際金融危機に際しての価格急落時に買ったアルミや亜鉛をこのところの上昇に利食い売りしているとの話もある。かの国は、外貨準備の捉え方も日本や欧米などとは異なるというのは、国家ファンド(CIC)創設に指して外貨準備の運用利回りを持ち出した際に表面化したが、こうなると巨大なトレーダーとしての中国の存在が市場の撹乱要因となるのは必定。

 

これと関連して、米金融誌バロンズによると今年の上半期、中国は鉄鉱石や原油や銅などの実物資産への投資が310億ドルに上ったとのこと。それは米国債および米国政府関連債への投資の230億ドルを大きく上回るとしていた。資源外交に象徴されるが、中国自体の拡大する需要を満たすというよりも、外貨準備における通貨戦略という意味合いが濃いとの指摘をしていたが、これは的を得ているだろう。こうした流れをみると、日本国債の売りは為替の含み益を実現益に換えたという見方は正しいと思う。

 

我らが財務省が9月にやった2兆円以上もの1日あたりの過去最高額の介入にしても、巨額の円キャリートレードをやっているわけで、こっちは民間ディーラーでは耐えられない規模の含み損を抱えているのが現状。実現損になったら、誰が責任取るんだろうねぇ。・・・・答えは国民。

 

さてこうしたことを書いている間にも金価格は最高値更新中。

 


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