ブッシュ減税の延長をほぼ丸飲みする様相のオバマ政権だが、議会の採決を経る必要があり、今のところはまだ正式決定ではない。それでも市場は景気刺激効果を先読みするかたちで2011年の見通しの組み立てが進んでいる。確かに机上では、個人消費を刺激し俄かに登場した間接的な財政支出は成長率を押し上げるということで、FRBの金融緩和策をサポートしそうだ。ならば決めた以上の量的緩和策へは進まなくてもいいのではないかという見通しが急速に広まりつつある。またまた、マーケットは楽観に振れ始めている。
2011年を展望する上で、高額所得者を含めた減税策の延長は、廃止で織り込んでいたので枠組みがやや違ってくることになる。それでも目立って成長率を押し上げるのは難しく、回復は“緩やかな”ものにとどまりそうだ。足元で好調が伝えられる米国の年末商戦だが、売り上げ確保ということで早くから割引が始まっており、これも最後まで見ないと何とも言えない状況。今夜は米国債の下落は一応止まっている。
週間ベースの失業保険申請件数が発表されたが、予想42.3万件のところを結果は42.1万件となった。ほぼ予想に沿った線で波乱はなし。前回の結果が43.6万件と膨らんでいたのと雇用統計が悪かったので、このタイミングで好悪両サイドでとんがった数字が出ると材料になったと思われるが、結果は波風の立たないものだった。