昨夜書いたがECB(欧州中央銀行)の「第2次ワシントン協定」3年次における“売却予定数量到達宣言(これ以降、年度内に売却の意向なし宣言)”により金価格は続騰。それにしてもタイミング良くこうした発言が飛び出したことに、またぞろ、価格操作説や陰謀説の類が出てきそうだが、以前からECBはこうした発表をしており、今回はたまたま相場の上でも転換期に差し掛かっていたという偶然の産物ということだろう。思い起こしてほしいのは、2月以降欧州系の売却が目立っていることは毎週発表されるECBのデータで明らかになっていたが、その際は「・・・・にもかかわらず上昇しているので地合は強い」という受け止め方だったということ。それが4月から5月と時間の経過とともに、金市場自体が膨れ上がった買い残の整理モードで弱含むと、「欧州系の売却が目立ち需給バランスを崩している」といつしか悪材料にすり替えられていく。まぁ、この辺りは「いつものこと」というふうにここでも書いた。そして公的売却という点で特段環境に変化はないのに、「予定売却量到達」だけでスルスル上昇。要は、内部要因の進行具合の理由づけをしたいがために、いろいろ材料を後追い的に付けているということ。これもマーケットの一断面ということ。
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