亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

サポートは外せず金は支えられる

2012年08月23日 21時52分38秒 | 金市場
8月14日のここに「圧倒的スポーツ情報で迫ったオリンピックも終わり8月も後半。FOMC議事録要旨、ジャクソンホール、ISM景況感、雇用統計を経て1カ月後にはFOMCも終わっている。ここからテンポも上がりそうだ」と書いた。その時点で金価格に目立った影響を与えそうなイベントを、到来する順に挙げたものだった。

その最初、FOMC議事録要旨(7月31日、8月1日分)が発表された。週初に、「声明文の内容、とりわけ「新たな情報を綿密にモニターしていく」(closely monitor incoming information)という文面から」考えるに、緩和スタンスは「強まっていそう」としたが、結果は予想以上に追加緩和に積極姿勢に転じていることが判明した。

当方なりにまとめると、米国経済は金融危機後の(どちらかというと)デフレ環境の中でダラダラとした回復が続いてはいるが、それは金融財政両面でのサポートがあってのこと。今後を見渡すとユーロ圏発のカネの収縮が新興国に波及し、中国までもが自らを維持するのにいっぱいっこになりつつある。ヨロヨロ状態の米国景気に外部からのプレッシャーが掛ることを考えても、早晩追加策は必要で“臨戦態勢”にあるということをまず声明文で“状況を注視(情報を綿密にモニター)”として伝え、その意味することは、臨時の電話FOMCを開くことさえ厭わず何かあれば直ぐに動きます・・・単発的にいいデータが出てきても楽観はせず、ヨロヨロ、ヨタヨタという歩みに力強さを出すために適宜手を打ちます・・というところ。

以前、まさに「長く曲がりくねった道」と日本の経験から白川日銀総裁が語ったことがあるが、長期戦覚悟に転じている様子。そこに米共和党は副大統領候補に保守派のポール・ライアン下院予算委員長を据え、小さな政府、緊縮財政派さらには量的緩和などとんでもない、というスタンスでやり難くなっている。

いずれにしても米国景気は目立って良くはならず、サポートは外せない。したがって緩和策は続く。金は支えられる。

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