亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米中古住宅価格の下落

2006年09月26日 15時18分43秒 | トピック
日本時間の昨夜22時半頃に流れた8月の米中古住宅のデータは、販売件数の落ち込みこそ予想を下回った(つまり件数は予想より多かった)ものの、前月比で0.5%減の年率630万戸となった。これを前年同月比でみると12.6%もの減少となる。既に指摘されているように米住宅分野の落ち込みは明らかで、それを追認するデータということ。

それよりも昨夜ニュースを目にしておやっ!と思ったのは価格(いわゆるmedian、中央値)の下げ。このところ月次ベースでは下げは見られていたが対前年比では上昇が続いていた。それが今回のデータでは、マイナス。8月は22万5千ドルで1年前に比べると1.7%の値下がりとなった。値下がりは1995年以来11年ぶりのこととなる。米国の住宅事情は新築よりもこの中古物件の動向が実態を表わすので、いよいよ冷え込みが顕在化してきたということ。

このニュースについては、まだ楽観的な見方は多いようで、値下がり傾向は年末くらいまでで年明けには上昇軌道に復帰するとの見方が報じられていた(WSJネット版9月25日)。
思うのは、値上がりを前提にローンを組み消費を続けてきた個人も多く(投資用物件を買った個人家はなおさら)、影響は避けられないのではということ。ただし米国全体の数値で見た場合、ガソリン安効果による消費者の余裕もあり当面は問題なしということか。

データを細かくみると販売が前年比で一番落ちているのが西部地区なのだが、価格は前年比でプラス0.3%。販売が前年比で11.6%落ちているものの前月比ではプラス1.9%の北東部の価格は前年比でマイナス3.9%となっていた。考えられるのは、北東部の前月比の伸びは値引き販売ではないかということ。値が下がっていない西部は前月比でマイナス2.3%。前年比で22.8%も落ちたということ。おそらく西部でも値引きが始まると価格の下落はもっとはっきりしてくるのではないかな。なんせ在庫の増え方が急で、7.5ヵ月分、391万戸は1993年4月以来の規模とされる。値引き合戦が始まれば、価格の下げも早まるのは世の習い。むしろ住宅市場悪化の心理的影響がクリスマス商戦に響くということがあるかもね。

前から何度も書いているように、こうした“流れ”は、互いに反応しあって(思わぬ)加速をすることがあるので目が離せないということ。

それにしてもこうした単体のデータには、ドルも株も何もまったく反応しなくなっているのが、かえって不気味といえば不気味。

金市場は昨夜、原油と一緒に売り込まれたが目が覚めると元の値位置に収まっていた。

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1 コメント

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ドルの魔力・・・健在? (いつも拝見しております)
2006-09-27 06:36:08
お疲れさまです。



お隣韓国ではひどい状況のようですが、日本や中国で起こらないか心配です。

日韓株式市場ではチャート形状がよく似ていることからも悪い予感を想起させます。

ドルが下げ渋っているのも何となく理解できますが、米株式市場の急騰と日本の新興市場低迷もその兆しかもしれません。

質への逃避は終わるどころか加速しつつあるのかもしれませんが・・・

その米株式市場でも上場来高値が射程に入った優良銘柄で構成されるダウと店頭市場であるナスダックに違いがあらわれているのかもしれません。

日経平均が米株式市場に素直に追随せず重い足取りなんて事にならなければいいのですが・・・

一番なって欲しくないのはドル円119円をつけることですね。

世界で見れば、投資対象としてはやはりドルが選択肢としては外せないのでしょうけど・・・

「金」はそうなれば地べたからの浮上を始めると思いますが・・・



http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=80168&servcode=400&sectcode=400
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