亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

見ておくべき2つの指標

2019年12月18日 23時30分04秒 | トピック
本日のラジオNIKKEI「マーケット・トレンド」。先ほど自分でもPCで聴いたものの、内容を盛り込み過ぎたことで、早口になっており反省モード。今回は米国景気や市場の変調を感知するシグナルとして、雇用統計における前月比の雇用者増加数(NFP)の動向を押さえるべしというポイントや、マイナス利回りの債券が激増した中で、金融機関以外の事業会社の負債も記録的規模に膨らんでおり、財務が悪化した企業の格付けが引き下げられることで起きる債券市場の崩壊(あるいは乱高下)にも要注意とした。

まずNFPについては、個人消費がここまでの米国の景気拡大を支える要になっていることから、その動向を占う要素として前月比での雇用者の増加ペースが減速することが、変調を感知する要因になると捉えている。単月の結果ではなく、3カ月、4カ月のトレンドで見ることで警戒シグナルとして使えると思う。

もうひとつの企業格付けについては、そもそも企業の社債の格付けにより年金基金などは該当する社債の持ち分量を決めていることから、たとえ1ランクの格下げであっても該当する社債の(強制的な)売り要因になる。これを「格付けトリガー」と呼ぶ。償還まで持てば損をする債券が急増した今年の債券相場過熱の中で、来年以降この格下げによる自動売却の動きが、いわば相場の雪崩れ現象を起こし波乱の展開となる可能性は否めない。規模の大きい未上場の企業(ユニコーン)投資についても、いまやバブルが指摘される状況の中で、上場前に調達した資金を使い果たし結果を出せないところも増えそうだ。設備投資ではなく自社株買いのために発行した債券が増える中で、業績に陰りが出て、その状況が進行したとき、逆回転が起き借金の重みは急激に増すことになるのだろう。格付けトリガーは、そのまま債券バブル崩壊のトリガーになる可能性がある。難点は格付け会社の動き(格下げの発表)が、遅れることがあること。


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