アルゼンチン・ペソの暴落から経常収支の赤字の規模が大きい新興国の通貨が連鎖的に売られ、世界同時株安が発生する中、市場の関心は中国の「理財商品」のデフォルト(債務不履行)問題にも寄せられていた。
市場に関心のある人々には、広く知られているがロイターなど主要メディアが伝えていたものは、組成した信託会社と債務者の企業の間に入って仲介者たる販売を担当したのが、中国工商銀行で、デフォルトが決定的になる中で工商銀行は私たちに責めはなく、なんら弁済の義務はありません・・・というスタンスを取っていたこと。ちなみに償還日は1月31日とされていた。もちろん信託会社サイドも、そもそもリスクのある商品につき同じく弁済の義務はないというスタンスだったとされる。
さて、ならばこのままデフォルト発生となるのか・・・。なれば同様の商品が多いと言われているので、ついに潜在的な不良債権問題が浮上し不安に駆られた投資家が騒ぎだし、混乱の度合いが高まるのではないかと思われた。その中で果たして政府は、どんな対応策をとるのか・・・と。
詳しい情報はないが伝えられているところでは、地方政府、信託会社、販売窓口の工商銀行の3社がそれぞれ負担し、少なくとも元本の返済をするというものらしい。しかし、この処理方法はモラルハザードを生み、切りがなくなるとされているが、その通りだろう。そもそもシャドーバンキングとは銀行ルートではない資金融通の総称だが、何で中国工商銀行や(別件では)中国平安保険などかの国のトップ金融が関わっているのかも疑問だ。投資家としては有力銀行、保険から購入して高利回りを信じていた商品が焦げ付くという事態に納得は行かないということになるだろう。そもそも、すでにデフォルトは発生しており、いずれも今回のような処理をしてきたという話がある。習近平体制になり、それを改めようとしたが、できなかったということか。すべてを面倒をみていると、これは切りがなかろう。つまり問題に蓋をしようとしても無理ということになる。元々中央政府は管理可能としていたが、果たしてどうするか。いつまでも目先対応で問題をかわすことはできまい。
こうした環境の中で2013年の中国の金輸入はついにネットで1158トンにもなった。
だから金嗜好が強いんですよね