先日ここに8月の米雇用統計はイレギュラーな数字が出やすい季節性(癖)があると書いた。日本時間、昨夜のISM非製造業景況指数もそういった要素があったのかもしれない。それでも総合で前月55.5、市場予想55.0が51.4への落差はちょっとしたサプライズだった。
好悪の分岐点の50を割り込み、最近やっと浮上する気配を示していた製造業景況指数に比べ、安定的に50を大きく上回り続けてきた非製造業のほうは、経済に占める構成も非製造業が主流になっている米国経済だけに、ひとつの安心材料だった。雇用の良さと、堅調な非製造業は力強さを増してきた個人消費に投影され、製造業が落とす影をカバーしてきた経緯がある。それだけに、オイオイ・・・という内容だった。
総合指数の55.5から51.4もそうだが、内訳の景気指数の前月59.3から51.8、新規受注の60.3から51.4など数年ぶりという意味で記録的な落差は、9月利上げ見送りをマーケットに織り込ませることになった。9月1日のISM製造業の50割れ転落に、翌日の予想値を大きく下回った雇用者増加数に、レイバーデイ明けのこの結果。さらにもうひとつ労働市場情勢指数(LMCI)のマイナス転落というのもあった。
労働市場情勢指数(LMCI)というのは、FRBが2014年10月から毎月発表しているもので、労働市場に関する19の指標をもとにはじき出すもので、労働市場の状況をより的確に把握しようという目的で作られたもの。2014年10月以前からあるが、不定期で発表されていた。イエレン議長が注目していることで知られる。
その指数が、年始からマイナスを続け7月に+1.0と今年初めてプラスに転じ、注目されていた。昨夜発表された8月の数字は、再びマイナスに転じていた。この結果も、利上げ見通しを後退させる材料となった。
ISM発表後、米長期金利は大幅に低下し、8月26日のジャクソンホール直前の水準に戻ることになった。為替市場ではドルが主要通貨に対し売られ、主要6通貨に対するドル指数(DXY)は94ポイント台と同じくジャクソンホール直前の水準に戻ることになった。金は手仕舞い売りと新規売りに傾いていたファンドの買い戻しが入り続伸で1350ドル台乗せ。減少傾向にあった金ETFも、「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」が6日に14.25トンと大きく残を増やし950トン台に復帰。これからは、個別の材料に反応ということでレンジ相場か。次の主要指標は小売売上高となる。
シルバーの需給、地上在庫の現状をブログで解説お願いできませんか?
CFTC建て玉明細をみれば、シルバーが少しさがると鉱山、精錬会社が銀を買いを増やしているし、銀ETFはづーと増え続けているので。
需給はタイトになってきているのかなと考えていまが………実際……?