亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

あのカルパースも

2009年07月30日 23時48分31秒 | 金融市場の話題
世界の年金基金のなかでヘッジファンドへの資金配分など先駆的な運用で知られ、その動向が常に注目されてきた米国最大の年金基金といえばカルフォルニア州の公務員退職年金基金。英語表記の単語の頭文字をとってカルパースといった方が、わかる人が多いのかもしれない。先週、そのカルパースが一連の金融危機のなかで過去1年間で運用資産が23.4%減ってしまったというニュースがあった。6月末の時点の資産価値が1年前の2371億㌦から1809億㌦になったという。NYダウが7000ドル割れまで売られていた3月には1600億㌦まで資産価値が落ちていたということなのでこれでも日本円にして2兆円ほど回復したことになる。

別のニュースではOECD(経済協力開発機構)の調査によると確定給付型年金(DB)の多くが現在の資産が“将来給付負債の現在価値を下回っている”ということだった。なんだかややこしい表現だが、損失を被り資産が支給予定額を割り込んでいるということ。平均して運用資産が20~25%減ったとのことで、とりわけ金融危機で有名になったアイルランドや米国では30%超の減少となっていた。23%台のカルパースは米国の中ではまだいい方といえるのだろう。

問題はシュワルツネッガー知事で知られるカルフォルニア州が財政危機に陥り、大幅削減して予算案をやっと成立させるという窮乏状態にあるという点。年金の運用は市況が多少回復しても元に戻るということはなく、このままでは州政府に相応の負担が発生する見込みが高いとのこと。そこで無い袖は振れないとばかりに、年金改革という名の年金の支給減額の方向に進まざるを得ないということらしい。ある調査によるとカルパースから年間10万ドル以上・・・ということは約1000万円以上の年金を受け取っている人は5000人を超えているとのこと。すごいね。金市場でもカルパースによる金ETFの取得などと注目されてきたが、今回の一連の金融市場の混乱で傷ついた年金基金も多く破綻も増えるのではということらしい。


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2 コメント

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買うに買えず売るに売れず (いつも拝見しております)
2009-07-31 17:12:50
初版本、手に入れました。
ただ、家に本が山積みなのでしばらく読めないかもしれません。
ブラックスワン買ったのですが、まだ途中で読みかけの本も何冊かあって・・・トホホ

手出しが難しい局面です。
市場がどうも薄い気がして、そのためのボラ上昇なら一般的には天井圏なのか?などと勝手に思いこんでます。
テクニカル的には買い局面でもCFTCのSP500のファンド買いポジション急減を見てはちょっと・・・
今週末は久しぶりにノーポジでのんびりする予定です。
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ワタシもノーポジ (さとうにしき)
2009-07-31 22:51:06
今週はワタシもノーポジでやり過ごします。

夏枯れ+実需要薄(インド行ったときのトラウマがww)みたいなので……。
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