亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

増税を盛り込むマニフェスト

2009年07月29日 22時52分21秒 | トピック
8月末の投票日に向けて選挙報道が増えている。民主党を皮切りにマニフェスト(政権公約)が発表されているが、自民党はまだ。今朝の日経が報じるところでは31日に発表するとのことだが、その中に景気回復後の消費税率の引き上げを、すなわち増税を盛り込むのだという。観測記事と思われるので実際にはどうなるのか分らないが、盛り込むならば一般的には大胆な公約となる。選挙に際して国民には耳触りのいい公約を掲げるのは常道だし、“傷みを伴う話を避けず”という部分に「責任政党」の面目躍如ということらしい。そもそも民主党の掲げる公約は、財源を考えると無理というのが自民党の立場という。

そうかも知れぬ。しかし、官僚組織と自民の長年の連携プレーの間にずいぶんと無駄な支出があるのも事実だろう。そのひとつひとつを是正すればそれこそ埋蔵金ではないが、新たな財源は出てきそうな気もする。実際には大ナタを振るような改革になろうから、言うは易し、行うは難し、であることは間違いない。時間もかかろう。

今朝のこのニュースを見て直感的思ったのは、自民は負け覚悟で増税を押し立てるのだろうということだった。その心は数年先の政権奪回ということか。確かにすでに赤信号点滅状態の日本国の財政であるから、歳出が急増し歳入が減るような公約は、よほどうまく立ち回らないとあっという間に財政赤字問題が浮上するだろう。ここまで起きなかった長期金利の急騰(国債の暴落)などということが起きないとは限らない。そうなれば、混乱状態となる。「ほらね、任せてみたら、こんなでしょ!」状態を自民は狙っているのかと。つまり下野して敵失を待つ作戦ではないかと。選挙を戦うのに不利ではあるが日本の正しい在り方を指示していたのは、負けましたが我らだったのです・・・・と。そんなことを寝起きでボンヤリした頭で考えてしまった。

本日は午後に杉並にある撮影用の施設を使ったあるケーブルTVの番組収録だった。佐藤まり江さんを進行役に、山口良一さんが相談者という役回りで、当方がアドバーザーというような構成。山口さんとは以前も同じような設定でやらせてもらったこともあり、収録は比較的スイスイと進んだと思う(モロ主観ですが)。前回同じ年生まれということで盛り上がったこともあったし。いつも思うのは役者さんは切り替えが見事で、すぐにその状況に入っていけるという部分に驚く。仕事柄といえばそれまでだが、4、3、2、1・・・・・・で人格までも変えられるんだろうなぁ・・。佐藤まり江さんは株式関係の著書が複数あるのは終わってから知りました(失礼!)。どうりで詳しいわけですねぇ。

さてコンファレンス・ボード発表の消費者信頼感指数の前月に続く悪化で、またまたリスク忌避の引き金が引かれた様子。再び実需の在り処を試す金市場。

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5 コメント

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誤用 (僭越ですが)
2009-07-30 01:28:50
耳障り、という言葉はありますが、耳触りのいい、という使い方はありませんです。
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僭越ですが (Unknown)
2009-07-30 02:38:58
いい、悪いをつけて使う方は「耳触り」で正しいようですよ。
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クラウディングアウト? (いつも拝見しております)
2009-07-30 08:16:43
っぽく感じるのは気のせいか・・・?
ただ、各市場の厚みがなく流動性が減少しているような状況での大規模入札にドルインデックスが猛烈反応を起こしてるのが気がかりです。
商品もちょっと深めの調整だし・・・
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自民党の良い分 (yoshy)
2009-07-30 11:58:31
民主党の予算は無責任発言は、自民党の利権を全て守って、新しい政策をするのは無理だ。といっているだけの、手前味噌感情であり、考えるのは自分だけで、国民なぞはアホばかりで、ニュース発表でもすれば、すぐ信じる。自民党は、そのニュースメディアをおさえているから、なんでもいえる。と言う事だろう。自民党の支持者だった農民は激減し、建設土建業者も激減しているのに、利権だけは残している。つまり、足下が崩壊しているのだ。それに気づかぬ甘い人々が、政権を持っている方が不思議だ。民主も、又もし政権を取っても、利権のあたらしい泥沼に入らぬと良いのだが?世界も日本も、状況が切迫しているのに、自分の懐の為の政治しか出来ないこの国は、アフリカの内戦をしている国と同じ政治構造である。ボツワナでなく、コンゴにちかいのでは?平和の形は、腐敗だった。
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yoshy様に賛成 K先生にも (小さな愛犬家)
2009-08-02 22:55:10
お疲れ様です。

全く麻生総理の弁舌は末期的症状そのもので、
財源は民主党の「無駄遣いを無くす」で実際も理論上も正しい。 児童手当は経済の乗数効果が大いに期待できます。
やってみないで、無駄遣いを続けるということはだけ許されないし、それこそ、そんな金はないです。
市場原理主義は破綻、世界的に認定されているのだから、それこそ退場するのが自己責任でしょう。小泉さんは選挙も政治からも逃げた。それを引きずる現政権が、官僚利権は温存するのは無理。アメリカの旧政権に利益誘導した「郵政民営化」のからくりは、国民がすでにお見通しデス。そもそもオバマ政権でアメリカはチェンジした。
郵政でも何でも、一度清算、けじめをつけてから、どうしても財源が足りなければ社会保障につかう消費税引き上げをすればよい。単純なことですョ。
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