亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

イエレン議長の講演

2016年06月07日 23時51分33秒 | トピック

本日夕刻は、ある通信社のネットの持ち回りの連載原稿を「消費増税の先送り」をテーマに書いた。スマホ対応もあって900字程度に文字数が制限される原稿。文字数が少ないと、かえって難しいという側面も。

思い起こせば、第一回目の消費増税延期に際しては、「再び延期することはない。景気条項を付することなく確実に実施する」と明言していたので、よくそこまで言えるよなぁ・・・そこまで言い切るからには、違えると解散総選挙か、辞任か・・・と思ったことを思い出した。政治の世界のことで済んでしまうのですなぁ。今回調べたら、かつて2012年に消費税は、社会保障の安定財源として政権交代を超えた「共通の基盤」として選挙から切り離すという合意(2012年自公民3党合意)があり、そういえばそうだった・・・と。それほど消費税は、社会保障の財源として聖域扱いとなっていたわけで、前回あれだけ言い切ったのは、そうした背景ゆえのことだったろう・・・と。今回は、緊急避難的措置ということなんだろうが、基準は人により大きく異なるということか。

さてイエレン議長の講演は、結局はハト派的なトーンにならざるを得なかったということか。7月の利上げを打ち消すところまで出来なのは言うまでもないし、元より今回の雇用統計に関しては7月1日の6月分の公表に際しては上方修正されると思われるものの、現時点では「失望的」ということだろう。

株式市場がここまで上昇で反応しているところを見ると、むしろ利上げに向かえないことが、世の平穏につながるということだろう。むしろ利上げを強行されると、中国が綻びたり、ということが起きたのではないかと思われる。もっとも、利上げしなくても綻びそうではあるが。イエレン議長は4月の家計消費の伸びを評価していたが、ならば来週のFOMC初日に発表される小売売上高に市場の関心が集まりそうだ。

もともと利上げに向かうということを周知させる場として設けた講演会と思われるが、データに足元をすくわれたのは否めず。

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