リビア情勢がメディアを賑わせている間に3月も中旬ということで、ユーロ圏では7日の米格付会社ムーディーズのギリシャ国債の格下げ(3段階引き下げシングルBプラス)をきっかけに、また俄かにソブリン債への関心が高まって来た。4月以降に国債の(それらの国にしては)大量償還を迎えるポルトガル、スペイン問題が控えていることから3月下旬から4月は要注意の時間帯と目されていたが、いよいよ前哨戦が始まったといところ。来週はFOMCもある。 ムーディーズはギリシャの見通しをネガティブとしたが、EU(欧州連合)による将来に渡る救済の枠組みは未定だが、同国国債の債務の履行に疑問符をつけたかたち。実際に別の米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズの欧州ソブリン格付け担当者も、ギリシャがデフォルトに陥る可能性があるとの見解を示していた。8日にそのギリシャ国債(10年)は急落。利回りは12.85%に。2020年6月償還の国債でクーポンが6.25%のものがすでに65ポイント台まで売られている。まぁ、当然だろう。ドイツ債に対するスプレッドは再び1000ベーシスポイントすなわち10%程度になってきている。昨日はスペイン10年債が5%台半ばに、同じくポルトガルは7.6%超えている。ポルトガルは前回の入札の前にECBの買い支えもありかろうじて7%以下を維持していたが、実勢は抑えられない状況。7%超はレッドゾーン。ECBの4月利上げが話題だが、確かに労組が賃上げ闘争に張り切っているドイツなどは別として、南欧の息の音を止めねばいいが・・。 ノーベル賞受賞者でコロンビア大学教授のスティグリッツ大先生もインタビューで、余りに早く予算縮小を図りデフレに落ち込んだ日本(橋本自民政権)と全く同じリスクにEUは直面しているとしていた。同じくニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ先生もECBは「早すぎる利上げという間違いを犯しつつあるかも知れない」と宣ったと。しかし、この見解、昨年5月辺りからそうした懸念を持って推移を見てきた人は多かろう。当方もその一人だが。。 話題は変るが、国内ではガソリンの店頭価格がリッター145円台に乗せ2年4ヵ月ぶりの高値とのこと。もし円高がなかりせば・・・・日本でもガソリンのみならず食料品の価格は上昇し生活は苦しくなっていただろう。日本の再生には円安が必要と騒いでいたヒトビトは、いまどんな主張をしているんだろう。そうした論調は見かけなくなった。昨夜ドルが買われたのは、Fedウォッチャーで名を上げたリチャード・メドレー率いる投資顧問会社が来週のFOMCにて「低い金利が長期にわたって継続する可能性が高い」との文言が削除される可能性もありとしたからかな?この文言継続するじゃないかなぁ。 今週は久々にETFが増えたが、SPDRはピークから100トン下回る状態。 ただいま東京行きのぞみに乗り換えるべく在来線特急車中。
景気が悪くなると魔女狩りが流行る。自分が気分悪いのは誰か他人が悪いせいだ、なんて虚しい行いと思うのですが…
ルービニ先生も日本を悲劇的状況のお手本と思ってる?日本は孤独なトップランナーだったから仕方ない気もするけど…世界中から悪いお手本みたいに言われるとかなり気分悪いです。