亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

FOMC前の8月の小売データに注目

2020年09月16日 21時16分45秒 | 金市場
さてFOMCだが、やはり8月27日のジャクソンホールWeb講演時のパウエル議長による臨時会合の発表が行われたことで、無風で終わるという見立てが多い。それでも、緩和バイアスが掛かっているのは間違いないので、ハト派声明や議長発言が飛び出すのではとの思惑が根強く、昨日のような流れでNY金は買いが先行している。もっとも、昨日はNYの昼前にファンドのポジション調整のような売り物が出て、上げ幅を一気に削ることになったので、同じ展開もあり得る世界。しかし、1950ドル超を維持はしている。

それよりも今夜は昨日の最後に書いたように8月の米小売売上高が要注目となる。日本時間の21時30分発表なので、あと30分ほどで発表になる。前月比で5月は+18.2%、6月は+8.4%と来て7月は+1.2%に失速気味だった。今回は7月末に失業保険の連邦政府による上乗せ分が失効しており、その影響がどう出るか。1200ドルの現金市況からも時間が経過していることもある。FRBが重視する個人消費支出も7月は+1.9%と6月の+6.2%から鈍化していたのでどうなるか。

この辺りは、FRB関係者が議長を始め、政府支援の必要性を議会関係者(特に共和党右派)が嫌がるのを承知で、何度も支援の必要性を訴えかけてきたので、仮に結果が悪ければ、ほれ見なさい!!ということになる。日本時間の本日早朝には、さすがに共和党サイドにも危機感を持つ議員もいることから、下院の超党派グループが1兆5000億ドル規模の打開案を提示となっていたが、成立は難しいのではないかと思う。ペロシ下院議長が盛んに共和党サイドを牽制しているが、どちらかというと有権者に「私たちはここまでやっているのに、共和党が乗ってこない」ということをアピールする狙いがあるように見える。もっとも、双方ともにそいったスタンスだが。そうこうしているうちに、消費が失速などとなる可能性がありそうだ。いずれにしても、FOMC前の小売りのデータを見ましょ。



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