これまでタカ派で知られてきたウォラー理事やセントルイス連銀のブラード総裁に加えて、昨年の9月時点で超ハト派の発言をしていたミネアポリス連銀のカシュカリ総裁などもインフレを抑制のために1.75─2.00%に引き上げる必要があるとした。この程度の利上げ水準では今や驚くに足りないが、バランスシートの縮小つまりQT(資金回収)については、ロイターが伝えるところでは、来月(・・・・4月!)にも縮小に着手し、前回の縮小時の2倍のペースで進める必要があるとしている。カシュカリ総裁は昨年9月、サプライチェーン問題は解消し、利上げを行わなくてもインフレは低下するとの見方を示していた。。。
いずれにしても当の議長も加わりFRB高官によるタカ派大コーラスが始まっている。今週はこれが連日予定されている。繰り返し書くが、先週から始まっていた米債全体の利回り底上げは週初のパウエル発言で加速し、22日の10年債は2.3%を突破し本日23日は一時2.4%を突破し、現時点では2.371%に落ち着いている。超ハト派だったカシュカリ総裁までQTの加速を唱えるあたりを考えるなら、うがった見方かもしれぬが、声を合わせる(コーラス)ことで、長期金利の押し上げを狙っているのではないかと思われる。それにより一定の引き締め効果をねらっているのかもしれない。しかし、それは同時にFRBバランスシートの債券の含み損を拡大させる。
強力な引き締め策、しかも一気呵成ともいえる大攻勢に株式市場はインフレ沈静化で再び安穏環境が訪れると踏んでいるのか、反発で反応している。しかし、カシュカリ総裁のいう以前の2倍のピッチの資金回収の中で、株式市場が数カ月前のような状況に戻るとは思えないんです・・・・・が。