昨夜は夕刻から一連の流れを見て、11時過ぎに仮眠して3時に起きて流れを見ていた。こんなことを常時やっているわけではないが、やはりポイントのときは、個々の反応が参考になる。今回のFOMCは、直前にスペイン債が売られたことで一歩前に出たドラギ発言で少し趣が変わったように思う。
まず8月1日の取引はアジアや欧州の取引時間帯は模様眺めで推移。おおむねFOMC警戒派による前日の手仕舞い売りで下げた1615ドルほどの水準を維持する展開となった。動きがあったのは、NYのフロア取引に入る直前に発表された民間雇用サービス会社ADPによる民間雇用データの発表後。市場予想12万人増に対し結果は16万3000人の増加となった。このデータは必ずしも米国労働省が発表する雇用統計との整合性はないが、ラフな先行指標と目されており、今回はFOMC当日ということで“結果の良さ”が“追加緩和観測の後退”と解釈された。
ただし、その後注目のISM製造業景況指数が発表され、49.8と拡大縮小の境目となる50を6月に続き2ヵ月連続で割ったことが判明。こんどは逆の流れが起き、金は徐々に買い戻され1600ドル大台を回復し、取引終盤に向かった。
現地14時15分に公開されたFOMC声明文は、発表と同時にQE3見送りが判明するや株式市場と同様に金市場も下落。再び1600ドル大台割れに。しばらく弱含みに推移したあと、徐々に買戻しの動きが見られるも、かろうじて心理的な節目であるところの1600ドルを維持する動きで膠着する気配。バトンはそのまま日本時間今夜のECB(欧州中銀)理事会に引き継がれた。
FOMC声明文は、概ね前回と同じような内容だが、表現の細部の変化から関係者は当局の意思を読み取ろうとする。
景気見通しについては下方修正することになった。前回6月の「緩やかに拡大している」から「今年上半期にかけて幾分減速することになった」との表現に。海外主要メディアは、追加緩和は見送られたものの、かなり積極的にその実行の意思を示したと報じているのだが、たしかに表現は変わっている。
とりわけ前回6月に追加の政策に関し「一段の措置を適切に講じる用意がある(prepared to take further action)」としたものを、今回は「今後入手する経済・金融動向の情報を注視し、(中略)、必要に応じ追加緩和を実施する(will provide additional accommodation)」としたこと。特に「追加緩和」を明記したのは初めてではないか。そもそも共和党保守派を中心とする勢力は、ドル安を招く政策といえる量的緩和策自体を、言うなれば“アメリカを貶める”政策というようなニュアンスで捉え、FRBに対し抗議の書簡を送るということが昨年あったと記憶している。つまり、そうした政治的なプレッシャーもあって「QE」に近い表現すら避けてきたような経緯がある。そもそも、今の時代に金融緩和が目に見えた改善要因にならない“失業率”を前面に押し出すあたりは、政治的配慮のように思われる。
したがって、今回の声明文はかなりの変化ではないかと思っている。ECBがドラギ総裁が言うような方向に向かうことが出来るのか否かも見たいだろう。「財政の崖(Fiscal Cliff)」にしても、さすがに議会の中で“これはヤバイ” ということで妥協を図ろうとする動きも出ている。しかし、夏休みで本格的に動けるのは9月となろう・・・・これに関しては議会機能が極端に落ちていて不確定だが・・。
今週含めて雇用統計も後2回見られて、ドイツの動き(憲法裁判所)で9月に設立が先送りされたESM(欧州安定メカニズム)の設立もあり、米国財政の動きもあり、もろもろを考えると9月がタイミングとしては宜しかろうと。それでも事態は流動的。誤算を重ねたFRB(FRBだけではないけど・・)ゆえに、最大効果を狙いたい・・と。
今回はFRBではなく、ECBが失望を振りまく番なのだろうか。連邦債務上限引き上げ問題で荒れたのは。1年前の今日だった。早いもので、あれから1年。夕刻、東の空にはポッカリと満月が。
西を振り向けば夕焼け空 いまが夏の盛り
まず8月1日の取引はアジアや欧州の取引時間帯は模様眺めで推移。おおむねFOMC警戒派による前日の手仕舞い売りで下げた1615ドルほどの水準を維持する展開となった。動きがあったのは、NYのフロア取引に入る直前に発表された民間雇用サービス会社ADPによる民間雇用データの発表後。市場予想12万人増に対し結果は16万3000人の増加となった。このデータは必ずしも米国労働省が発表する雇用統計との整合性はないが、ラフな先行指標と目されており、今回はFOMC当日ということで“結果の良さ”が“追加緩和観測の後退”と解釈された。
ただし、その後注目のISM製造業景況指数が発表され、49.8と拡大縮小の境目となる50を6月に続き2ヵ月連続で割ったことが判明。こんどは逆の流れが起き、金は徐々に買い戻され1600ドル大台を回復し、取引終盤に向かった。
現地14時15分に公開されたFOMC声明文は、発表と同時にQE3見送りが判明するや株式市場と同様に金市場も下落。再び1600ドル大台割れに。しばらく弱含みに推移したあと、徐々に買戻しの動きが見られるも、かろうじて心理的な節目であるところの1600ドルを維持する動きで膠着する気配。バトンはそのまま日本時間今夜のECB(欧州中銀)理事会に引き継がれた。
FOMC声明文は、概ね前回と同じような内容だが、表現の細部の変化から関係者は当局の意思を読み取ろうとする。
景気見通しについては下方修正することになった。前回6月の「緩やかに拡大している」から「今年上半期にかけて幾分減速することになった」との表現に。海外主要メディアは、追加緩和は見送られたものの、かなり積極的にその実行の意思を示したと報じているのだが、たしかに表現は変わっている。
とりわけ前回6月に追加の政策に関し「一段の措置を適切に講じる用意がある(prepared to take further action)」としたものを、今回は「今後入手する経済・金融動向の情報を注視し、(中略)、必要に応じ追加緩和を実施する(will provide additional accommodation)」としたこと。特に「追加緩和」を明記したのは初めてではないか。そもそも共和党保守派を中心とする勢力は、ドル安を招く政策といえる量的緩和策自体を、言うなれば“アメリカを貶める”政策というようなニュアンスで捉え、FRBに対し抗議の書簡を送るということが昨年あったと記憶している。つまり、そうした政治的なプレッシャーもあって「QE」に近い表現すら避けてきたような経緯がある。そもそも、今の時代に金融緩和が目に見えた改善要因にならない“失業率”を前面に押し出すあたりは、政治的配慮のように思われる。
したがって、今回の声明文はかなりの変化ではないかと思っている。ECBがドラギ総裁が言うような方向に向かうことが出来るのか否かも見たいだろう。「財政の崖(Fiscal Cliff)」にしても、さすがに議会の中で“これはヤバイ” ということで妥協を図ろうとする動きも出ている。しかし、夏休みで本格的に動けるのは9月となろう・・・・これに関しては議会機能が極端に落ちていて不確定だが・・。
今週含めて雇用統計も後2回見られて、ドイツの動き(憲法裁判所)で9月に設立が先送りされたESM(欧州安定メカニズム)の設立もあり、米国財政の動きもあり、もろもろを考えると9月がタイミングとしては宜しかろうと。それでも事態は流動的。誤算を重ねたFRB(FRBだけではないけど・・)ゆえに、最大効果を狙いたい・・と。
今回はFRBではなく、ECBが失望を振りまく番なのだろうか。連邦債務上限引き上げ問題で荒れたのは。1年前の今日だった。早いもので、あれから1年。夕刻、東の空にはポッカリと満月が。
西を振り向けば夕焼け空 いまが夏の盛り
しかし、NYダウ13000ドル台では
難しいような気もします。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/nms/news/post_24687/