昨夜は時間の関係でユーロ圏の状況については触れなかったが、スペインやイタリアに債務比率が高くしかも政治的膠着間の強いベルギーまで売られ始めユーロ圏の危機も広がりを見せている。イタリアでは緊急会合を開催した後トレモンティ財務相が「金融システムは健全」とう声明まで発表している。米国の債務上限問題がひと段落した後に、市場の関心は再びユーロ圏に戻るものと思っていたが、米国で指標の低迷が重なったことで米欧両サイドの材料が同時に金市場を刺激するという展開となっている。市場の反応は屈折するものだが、今週韓国の中銀(韓国銀行)がここにきて25トンを準備資産として購入したことを明らかにしたことも手伝い、一気に個別材料が共鳴をおこし、金市場では“うなり”ともいえる相場展開に至っている。こうした際には1+1は2ではなく、3や4あるいは5となって市場価格の振幅を大きくすることになる。
以下、住友金属鉱山メールに今朝書いた市況。ご参考までに。
「急騰1660ドル台に」
NY市場の金価格が1650ドルを突破した。予想を超えるピッチでの上昇は、金を刺激する幾つかの材料が、それぞれに反応し、いわば“共鳴現象”を起こした結果といえる。
まず懸案の米国連邦債務の上限引き上げ問題は、報道にあるように最終局面で決着をみた。修正案は下院そして上院と採択され、オバマ大統領が署名して発効となった。10年間で2兆4000億ドルの歳出削減が盛り込まれているが、このタイミングで歳出削減が前面に出るたことが、むしろ財政の健全化を評価するよりも「足元の景気はどうなってしまうんだろう」という不安心理を刺激する形になっている。
というのも昨日も書いたが、直近で発表された米GDP4-6月期速報値が1.3%成長と予想を下回ったばかりか1-3月期の結果が1.9%から0.4%成長に大幅に下方修正され、楽観論が高まっていた時期の成長の実態が「そうでもなかった」という空気が市場には蔓延した。とは言え、GDPは過去の数字である。これからは、どうなのかが問題となる。そこで一昨日発表されたISM製造業景況指数の結果の悪さが市場心理に追い打ちを掛けることになる。なかでも先行指標と目されている新規受注が「後退」を意味する50ポイント割れになったことから、市場心理は一気に冷え込んだ。バーナンキ議長が言っていた「景気減速は一時的(ソフト・パッチ)」という予想は、誤りではないかと。
そこに昨夜発表された6月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減少という結果が、さらに被さる。市場は0.1%のプラスを予想していた。米国景気の原動力は言うまでもなく個人消費である。その部門が縮小となると先行きの見通しも陰ることになる。
結局、米国景気の先行きを考えると再び何らかのサポートが必要になる、その際には財政に期待はできない、したがってFRBによる金融政策(QEⅢ)という連想が働くことになっている。そこにユーロ圏では、スペイン、イタリア国債への売りが止まず、さらに債務比率の高いベルギーにまで売りの手が広がるに至り、夏休み中のユーロ圏首脳も心中穏やかならずという状況になってきた。
そうした諸々の材料が重なり共鳴を起こしながら1オンス1650ドルならず1660ドルを突破している。焦点は週末の米雇用統計、さらに来週9日のFOMC(連邦公開市場委員会)と材料にも途切れがない。(2011年8月3日記)
しかし、限界に近づきつつあります。
金融の本質は債権債務。
成長が止まった時、債権債務を理性的にコントロールすることは出来ません。
成長は欲望が支配をし、メルトダウンは恐怖が支配をする。
買ったGOLDは売らないこと。
買うなら、今はチャンスと思います。
金価格が上がっても、あまり嬉しくないこの頃・・・
同感です、
これが市場の罠なら“ふるい落とし”にひっかかって本望。
今年は戦後初めて日本女性の平均寿命が縮んだ…天まで上がる相場がないのと同じく永遠に伸び続ける寿命はない。
ゴールドが下がるとは言わない。だって私は金投資のため貯めておいたヘソクリを金の宝飾品のため使いました!(爆)